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ピッチに崩れ落ちた佐藤勇人、「今は切り替えることができない」

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[11.23 J1昇格プレーオフ決勝 大分1-0千葉 国立]

 試合終了を告げる無情のホイッスルが鳴り響くと、ジェフユナイテッド千葉の選手たちは次々とピッチに崩れ落ちた。引き分けでも4年ぶりのJ1復帰が決まる一戦。しかし、後半41分に先制を許すと、ロスタイム5分間を含めた残り9分間の猛攻も実らず、タイムアップを迎えた。

 頭を抱え、ピッチに倒れ込んだMF佐藤勇人はチームメイトやスタッフに声をかけられても、なかなか立ち上がることができなかった。ダウンのフードをすっぽりと頭にかぶり、うなだれる。「正直、今は切り替えることができていない。それぐらい、この試合に懸けるものがあった」。ミックスゾーンに姿を見せたキャプテンは静かに取材に応じた。

「得点は奪えなかったけど、失点するまでは問題ない試合運びができていた。一つのちょっとした甘さが、ジェフというクラブが抱えている問題なのかなと思う」。敗因を分析する佐藤勇の言葉が重く響いた。

 ジュニアユース時代から千葉で育ってきた。08年から2シーズンは京都でプレーしたが、千葉がJ2に降格した10年から千葉に復帰。「大事なのは、僕がジェフを好きだということ。好きなクラブを、ジェフをJ1に上げたい」と、元日本代表選手は3年間、J2でもがき苦しんできた。

 あと一歩のところで、またしても届かなかったJ1復帰。「どうにかしてJ1に戻りたいと、自分を含めてもっともっと思うべきだし、今日もあれだけの人が足を運んでくれて、最後まで応援してくれた。結果、J1に上がれなくても、あれだけの声援をくれた。一人ひとりがもっともっと感じて、来シーズンにぶつけないといけない」。試合後も温かい声援と拍手を送ってくれたサポーターのためにも。4年目のJ2となる来季こそ、悲願のJ1復帰を成し遂げる。

(取材・文 西山紘平)

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