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[MOM685]大津MF野田卓宏(3年)_“大津の心臓”が劇的FK弾!

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[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[11.23 全国高校選手権熊本県大会決勝 ルーテル学院0-1大津 KKウイング]

「だいたい普通の子はあれで終わっちゃうんですけど、もう一本仕事できたのはアイツの成長かもしれませんね。もともとセンスのある子ですから」。大津の平岡和徳監督は延長後半2分に劇的な決勝FKを決めたMF野田卓宏(3年)の活躍に目を細めていた。足元の技術高い技巧派MFは、トップ下の位置からゴール前への飛び出しや狙いすましたインターセプトでも存在感。後半終了間際には上手くスペースを突いたドリブルからゴール右ポストを叩く左足シュートを放っていた。

 指揮官がたたえたのは「惜しいシュート」で終わることなく、試合を決めたことだ。延長後半2分、野田は左タッチライン際からのFKで中央へ飛び込んだ味方の前方、そして枠内を狙って右足を振りぬくと、ゴール方向へ向かったボールはDFの頭に当たってコースが変わり、そのままゴール右隅へと吸い込まれた。「(DFに当たらずに)そのままだったら入ってなかったかもしれないです」と振り返る幸運な一撃。ただ野田はこの“決勝ゴール”を狙っていた。「2年前に、逆にあのパターンで大津がやられているんですよ。それがいきなり頭をよぎって」。クロスボールを想定しながらも、ゴールを意識していた野田が決めたファインゴールだった。

 決勝ゴールは有言実行のゴールでもあった。「個人的には調子よくて結構接戦になることは分かっていたんですけど、ディフェンスも頑張ってくれて、攻撃陣が点を決めて勝たないといけないと思っていた。試合前に自分が『点決めて勝つ』と言っていて、有言実行できて本当に良かったです。なかなか点を獲ることができていなくて、点を獲ることが自分の課題になっていた。(その中で)練習後とかシュート練習をしてきた。でも、この舞台で決めることができて嬉しかった。(決めた瞬間は)ヤバかったです。一番嬉しかったです」。課題のシュートに地道に取り組んできたことが、チームを全国へと導いた。 

 日本一を掲げて臨む全国大会まであと1か月強。「もっと点取れる選手になりたいです。(特に表現したいのは)スルーパスと点決めるというところ。“大津の心臓”と言われるように頑張っていきたいです」。この日チームを救った“大津の心臓”が全国舞台でも中盤の柱として存在感を発揮し、献身的な攻守で、そしてゴールでチームに全国タイトルをもたらす。

(取材・文 吉田太郎)

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