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古巣・大分のJ1復帰を力に、広島GK西川「今度は自分たちの番だと」

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[11.24 J1第33節 広島4-1C大阪 広島ビ]

 古巣の“奇跡”に力をもらった。前日23日のJ1昇格プレーオフ決勝。終盤の劇的ゴールで千葉を下し、4年ぶりのJ1復帰を決めた大分トリニータの試合をサンフレッチェ広島のGK西川周作はテレビで観戦していた。

「試合を見ていて感動した。鳥肌が立つぐらいの感動だった。今度は自分たちの番だと思ったし、自分たちの力で今度は広島が優勝しようと」。大分県出身の西川は大分U-15、大分U-18と下部組織で育ち、05年にトップチームに昇格。しかし、09年にクラブが経営難に陥ると、主力を放出せざるを得ない状況もあり、同年オフに広島へ完全移籍した。

 移籍が決まったときも「いつか必ず大分に戻りたい」とコメントするなど、地元への愛着はだれよりも強い。今でも元チームメイトやスタッフとは頻繁に連絡を取り合っており、「森島(康仁)選手や、広島からレンタルで行っている丸谷(拓也)選手、スタッフの方とも常に連絡を取って、励まし合っていた」という。

 深刻な経営難によりクラブ消滅の危機にも立たされた大分が、ファン・サポーターや地元行政、経済界の支援も受け、J2年間6位からの下剋上でJ1復帰を成し遂げたことは、これ以上ない勇気とパワーになった。「大分がはい上がってきてくれた。昨日、大分がJ1に上がって、今日、広島が優勝して。これまでにない最高の1週間になりました」。そう満面の笑みを見せた西川。「来年が楽しみです」と、J1の舞台での“再会”を今から待ちわびていた。

(取材・文 西山紘平)

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