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「ホームランか、三振か」 広島MF青山が気持ちを乗せた追加点

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[11.24 J1第33節 広島4-1C大阪 広島ビ]

 右足に気持ちを乗せた。サンフレッチェ広島は1-0の前半20分、MF清水航平の左クロスを逆サイドのMF石川大徳がダイビングヘッドで折り返すと、待ち構えていたMF青山敏弘が右足を振り抜いた。「ホームランか、三振か。そういう気持ちで打った」。ダイレクトで捉えた弾丸シュートがゴール右隅に突き刺さり、試合の流れを決定づけた。

 同じ轍は踏まなかった。前節の浦和戦。優勝へのプレッシャーから消極的な試合運びを見せ、自分たちのいいところを出せないまま、0-2の完敗。その反省を生かし、この日は立ち上がりから前へ前へと積極的な姿勢を見せ、最後まで攻め抜いた。

「ミシャ(浦和のペトロヴィッチ監督)に勉強させてもらった。自分たちの立ち位置、やるべきことを教えてもらった。今回、こういう試合ができたのは、こないだ浦和に負けた試合があったから」。昨季までの恩師で、今季から浦和を率いるペトロヴィッチ監督の名を挙げ、今季最高とも言える試合内容で成し遂げたJ1初制覇を振り返った。

「積み上げてきたもので戦うんじゃない。積み上げてきたものと戦うんだ」。青山が、35歳のベテランMF中島浩司から言われたという言葉だ。背番号6は自信を込めて言った。「自分のすべてと戦って、自分のすべてを上回れた。自分たちにタイトルという財産ができた。また一歩成長したことを今日の勝利で確信した」

(取材・文 西山紘平)

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