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スタンドから見守った新潟・柳下監督、逆転残留に「ホッとした」

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[12.1 J1第34節 新潟4-1札幌 東北電ス]

 奇跡のJ1残留を果たした試合はベンチではなく、スタンドで見守っていた。前節の仙台戦(1-0)で退席処分を受け、最終節はベンチ入り停止となったアルビレックス新潟柳下正明監督。「監督がいないと、こんなにいいプレーをするのかと。安心して見ることができました」。4得点の快勝に試合後のセレモニーで笑いを誘うと、サポーターに向かって「来年もJ1でプレーできます!」と高々と宣言。「来年はもっともっと強くなって、サポーターの皆さんにたくさんの喜びを与えます。たくさんの感動を与えます」と力強く誓った。

 J1残留だけが目標だった。今年6月、当時17位と低迷していたチームの監督に就任。初陣となった6月16日の清水戦に1-0で勝ち、今季ホーム初勝利を挙げたが、その後もなかなか降格圏を抜け出せず、苦しい状況が続いた。夏場には一時、残留圏に浮上したが、8月18日の広島戦に0-2で敗れてからは常に16位か17位をさまよい、残り2節の時点で残留圏まで勝ち点5差の17位と、崖っ縁にまで追い込まれた。

 ラスト2連勝が最低条件で、他チームが勝ち点を落とすことを願う他力の状況。しかし、そんな土俵際からの2連勝で勝ち点6を積み上げると、15位神戸は2連敗、16位G大阪も2試合で勝ち点1しか重ねられず、大逆転でのJ1残留となった。

 残留圏ぎりぎりの15位でのフィニッシュ。指揮官は「今年に関しては、J1残留(が目標)ということで俺は来た。14位だろうが、15位だろうが関係ない。ホッとしました」と、最低限であり最大でもあった目標を達成できたことに安堵の表情を浮かべた。

「こっちが要求したことをやろうとする選手がたくさんいる。俺が言ったことを吸収しようとする選手がいるのは大事なこと。この7か月、彼らと一緒にやれたことをうれしく思っている」。そう選手をねぎらった柳下監督。最後は自身の古巣である磐田がG大阪を下す“アシスト”をしてくれたことに「やってくれるとは思っていた」と笑っていた。

(取材・文 西山紘平)

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