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[プレミアリーグEAST]チャンピオンシップへ弾みの勝利!東京Vユースが開幕17戦連続無敗に

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[12.2 プレミアリーグEAST第17節 東京Vユース1-0札幌U-18 ヴェルディG]

 2日、高校年代の全国リーグ、高円宮杯U-18サッカーリーグ2012 プレミアリーグEAST第17節が行われ、すでに優勝を決めている東京ヴェルディユース(東京)と2位のコンサドーレ札幌U-18(北海道)が激突。東京VがCB畠中槙之輔(2年)の決勝ゴールによって1-0で勝ち、12月16日にサンフレッチェ広島ユースと戦う高円宮杯U-18サッカーリーグ2012 チャンピオンシップへ向けて弾みをつけた。

 2012年Jユースカップ第20回Jリーグユース選手権大会で準決勝へ進出している札幌との実力派対決は、観衆が息を呑むようなシーンの連続。MF中原彰吾、DF永坂勇人、MF堀米悠斗、MF神田夢実、GK阿波加俊太(全て3年)と5人のトップチーム昇格者が先発した札幌は堀米が中盤からの飛び出しでシュートへ持ち込み、中原が後半開始直後に放ったシュートなど技術とスピードを駆使してゴールへ迫る。一方、東京VはすでにJ2で公式戦を経験しているMF中島翔哉とFW前田直輝(ともに3年)が揃って先発し、ともにDFに距離を詰められてもドリブル突破する技術を披露。来季のトップチーム昇格組ではGKポープ・ウィリアム、DF吉野恭平が怪我で欠場したものの、MF楠美圭史、左SB安在和樹(全て3年)も先発して勝利を目指した。

 前半は個々が攻撃に“かかり過ぎた”東京Vの守備時の運動量が少なく、札幌が押しこむ時間帯もあった。だが後半は一進一退。互いに迫力ある攻撃と局面での激しいプレーを見せ合った見応え充分の一戦は、試合終盤に生まれた決勝ゴールによって東京Vが制した。0-0のまま迎えた後半40分、東京Vは今シーズントップチームで4ゴールを挙げてブレイクした中島の右CKをファーサイドのFW高木大輔(2年)が打点の高いヘッドで中央へ折り返す。最後はこれに反応した畠中が渾身の一撃をゴールへねじ込んだ。

 札幌は42分に交代出場のFW下田康太(3年)の右足シュートがゴール右ポストを叩く。過去3試合で13ゴールをたたき出している札幌は最後まであきらめずに反撃してきたが、東京Vは必死に相手に身体を寄せて、パス、シュートの精度を少しでも狂わせようと必死に食らいつく。そして1-0のまま試合終了の笛。苦しみながらも勝負強さを発揮した東京Vが無敗を守り、今シーズンの成績を14勝3分とした。

「勝負強さ」は現在の東京Vのテーマでもあった。冨樫剛一監督は「勝つ集団になるためには何が必要なんだろうとアイツらと話をしていた時に、笛が鳴って終わるまで勝利に対してやり続けられるかとか、劣勢になっても慌てないとか、あるいは笛が鳴る前の過ごし方でいいコンディションを整えるとか、笛が鳴った後に次のためにコンディションを準備できるか、そしてもっと良くなるためのトレーニングへの姿勢とかを持ち続けられるから勝ち続けられるようになるんじゃないか、という話をしました。きょう笛が鳴るまで、どういう状況になろうともチームのために何をしなければいけないか、考えてゲームを進めていこうという話もしました」

 まさかの予選敗退となったJユースカップの敗因は、リーグ戦で川崎F U-18に敗れたこともあるが、岐阜U-18戦で試合終了間際に喫した失点が得失点差に響いた。攻撃面でも1対1など決定機を外した場面があった。厳しさ、徹底する部分でやりきれなかったことが招いた敗退でもあった。ただこの日は90分間、勝つためにすべきことを徹底できたことが札幌とのわずかな差を生み出した。

 チャンピオンシップで日本一を懸けて戦う広島はすでにその甘さが排除されていると言えるチーム。春のプーマカップで東京Vは0-4で敗れて力の差を思い知らされている。前田は「春先にサンフレッチェにボコボコにされているので借りを返さないといけない。向こうにも野津田(岳人)とかJリーグで出ている選手がいるので、そいつらにも負けたくないですし、こっちも(中島)翔哉が結果を出しているし、自分も何試合か絡めたので、プライド持って勝ちたいと思います。(トップチーム経験者として)ユースでは負けたくないという思いがある。そこを全面に出していきたい」と誓った。この日の試合同様に相手以上の勝負強さを発揮して春の雪辱を果たす。
 
 3年生は、日本一になってユースチームから卒業するつもりだ。中島は「このチームは今まで経験してきた中でも凄くいいチームですし、ジュニアの時からずっとやってきた人もいる。ヴェルディの下部組織での最後の大会になる。今まで教えてきてもらったスタッフやサポーター、ヴェルディに恩返しというか、ユースでもタイトルを獲ったらそれはタイトルなので、ヴェルディの代表としてやりたいと思います」。怪我やトップチーム合流のためによる不在など、主力がいない中でも無敗の進撃を続けてきた東京V。9日のリーグ最終節、そしてチャンピオンシップも勝利して、プレミアリーグ無敗で日本一を勝ち取る。

(取材・文 吉田太郎)
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