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MVP・寿人が誓う来季の目標、「2つ目の星を付けたい」

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 Jリーグは3日、横浜アリーナで「2012 Jリーグアウォーズ」を開催し、最優秀選手賞(MVP)にはサンフレッチェ広島のFW佐藤寿人が選ばれた。得点王、ベストイレブン、フェアプレー個人賞との“4冠”を達成。キャプテンとしてスピーチしたJ1優勝クラブ表彰を含め、実に5回も壇上でスピーチした。

「最後の方は『もういいよ』って思われていたかもしれないけど、それぞれの賞で意味合いも違ったので、伝える言葉も違った。最後まで飽きずに聞いてもらえたらよかったけど……」。表彰式終了後、報道陣の取材に対応した寿人はそう言って照れくさそうに笑った。

 優勝クラブとして選手全員でレッドカーペットを通り、壇上では会長杯を掲げ、あらためて初優勝の喜びに浸った。「鳥肌が立ちました。みんなこの瞬間を待ち望んでいたので」。そう振り返ると、「優勝したときの喜びも大きかったけど、全員で壇上に上がると、また違った喜びがある。試合になかなか出られなかった選手もタキシードを着て、メダルをかけてもらえて……」と、チームメイト全員で表彰されたことが何よりもうれしかった。

 シーズン当初を振り返り、「優勝できるとはまったく思っていなかった」と言う寿人。「自分たちがどの位置にいるかは、自分たちが一番分かっている。キャンプが終わった時点で、(7位だった)昨シーズン以上の成績を残せる手応えはあったけど、シーズンを通して優勝争いをする手応えは、僕自身はゼロに近かった」と率直に語った。

「『優勝するぞ』という気持ちでシーズンに入ったのではなく、監督がよく言うけど、目の前の試合に最善の準備をして、無欲にやれたことが一番良かったと思う」。無欲の初V。その言葉に偽りはないだろう。

 優勝の喜びに浸る間もなく、6日には新たな戦いが始まる。初出場となるクラブW杯初戦でオークランド・シティと対戦するが、「リーグは終わったので、気持ちを切り替えてやっていきたい。自分たちのサッカーが世界でどれだけやれるかワクワクしている」と目を輝かせた。

 そして来シーズンへ。「今年優勝したことで、来シーズンのユニフォームに星を一つ付けられる。来シーズンも何らかのタイトルを取って、2つ目の星を付けたい」。一つのタイトルを獲得すれば、また次のタイトルが欲しくなる。Jリーグ、ナビスコ杯、ACL、天皇杯と4つのタイトルレースに挑む2013シーズン。寿人がチームを牽引し、クラブの歴史を塗り替えていく。

(取材・文 西山紘平)

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