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[MOM210]専修大FW前澤甲気(2年)_“努力のヒーロー”今度は延長V弾!!

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[大学サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[12.19 大学選手権1回戦 専修大3-1関西大 BMWス]

「リーグ戦も最後良く結果出して、きょうもいい感じで来ている。ここ数か月凄く伸びた選手だと思います。ビックリしました」。専修大の源平貴久監督もその成長とピッチ上で結果を残しているFW前澤甲気(2年=清水商高)への賛辞の言葉を惜しまない。チームメートも普段の前澤の練習姿勢を賞賛する。その「努力の」アタッカーが1-1でもつれ込んだ延長戦で値千金の決勝ゴールを決めた。

 左FWとして先発した前澤はゲームの中で右FWへスイッチ。そして延長前半8分、右中間、敵陣ほぼ中央の位置でFW仲川輝人からのパスを受けると、ドリブルでPAまで持ち込み、右足を振りぬいた。「思い切って、コースというより気持ちでシュート打った。(GKの)タイミングを外して決められたことは自分にとってもチームにとっても良かった」と会心の表情。両手を広げて喜ぶ前澤に笑顔のチームメートが次々と抱きついて祝福していた。

 静岡の名門・清水商高では、高校選手権出場こそなかったものの、主将を務め、攻撃の軸として活躍した。ただ、高校時代から痛めていた足首の負傷の影響で、専大ではなかなか出場機会を得ることができていなかった。それでも「(徹底して鍛えてきたのは)走力ですかね。守備においても、攻撃においても相手より先に動かなければいけないし、やっぱり、チームメートもハイレベルなんで、それに合わせられるようには一瞬の動きだったりを極めていかなければいけない。本当に走りましたね」。出られない時期にとにかく走力を磨き、チームからの信頼を獲得した。そして熾烈な優勝争いを続けていた関東リーグ1部残り3節の筑波大戦で先発のチャンスを得ると、いきなり2得点1アシストの活躍でチームの逆転勝ちに貢献。続く2位・早稲田大との首位決戦ではチームの優勝を決める決勝ヘッドでヒーローとなった。

 そして初のインカレでもいきなり延長V弾。「(幸運ではなく、練習量と結果が)リンクしていて欲しいですね。努力が実ったということであれば」。ただ、後半だけでシュート4本を放ちながら決めきれなかったことを反省。再びヒーローにはなったが満足はしていない。「試合に出させてもらえているからこういう結果とかも出すことができるし、いろいろな人にプレーを見てもらえている。感謝して一戦一戦自分のためにも頑張っていきたい。思い切ったプレーだったり、今までやってきたことを発揮できるようにやっていきたい」。ラッキーボーイではなく、主軸のひとりとして日本一へ。“努力のヒーロー”が専大連覇への使者となる。

[写真]延長前半8分、専大・前澤が決勝ゴール

(取材・文 吉田太郎)
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