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[大学選手権]中央大が0-2から大逆転!新潟医療福祉大下し8強へ

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[12.19 大学選手権1回戦 中央大3-2新潟医療福祉大 江戸川]

 平成24年度 第61回全日本大学サッカー選手権大会1回戦、江戸川区陸上競技場にて行われた中央大(関東4)対新潟医療福祉大(北信越)の一戦は、新潟医療福祉大が前半に2点をリードする展開となったが、後半猛攻を見せた中央大が3点を奪い返して3-2で大逆転勝利を飾った。

 中央大の白須真介監督は前半を振り返り「どこかでゆがみがあった」と語った。立ち上がりから多くのチャンスを作っていたのは中央大だったが、新潟医療福祉大は焦れずに自陣で守備ブロックを作り、攻撃の選手も守備への戻りが速く、中央大はチャンスを作るもゴールを奪えなかった。最も決定的な場面は24分。川崎F加入内定のFW安柄俊(4年=東京朝鮮高)が相手DFラインの背後に抜け出しGKとの1対1でシュートを放ったが、DF釣巻翔真(4年=グランセナ新潟FC)がゴールに入る寸前でクリアした。

 中央大が決定機を外し続けていたことで、流れは新潟医療福祉大に傾いた。新潟医療福祉大はスピードが武器のFW中田大貴(2年=富山一高)、テクニックのあるFW比嘉諒人(4年=新潟ユース)によるカウンター攻撃が徐々に効き始めた。大宮加入内定のDF今井智基(4年=大宮ユース)、DF古賀鯨太朗(3年=大津高)の中央大両SBは攻めへの意識が強すぎるあまり、守備への戻りが遅くなっていたこともあり、新潟医療福祉大は決定機を作れるようになっていった。そして31分中田のクロスからMF鈴木裕明(4年=帝京長岡高)が右足シュートを決めて先制。さらに34分中田の直接FKはGKが弾いたかに見えたが、弾いた時点でゴールラインを割ったとの判定で2点目。中央大はわずか3分で2点のビハインドを背負う苦しい戦いを強いられ、攻めの人数を増やすも前半はゴールを奪えず0-2で新潟医療福祉大リードで終えた。

 後半に入ると、中央大はさらに猛攻を仕掛け、ゴールを狙った。流れを変えるために投入されたのは白須監督曰く「スタートでも良い選手だがケガでコンディションが落ちていた」というFW澤田崇(3年=大津高)だった。澤田は積極的な仕掛けで徐々にサイドを制圧。徐々に新潟医療福祉大の守備ブロックに綻びを生じさせた。そして30分、MF砂川優太郎(2年=広島ユース)のCKから古賀がヘディングシュートを決めて1点差に詰め寄ると32分、ゴール正面でボールを持った澤田がやや左に切れ込んで左足で放ったシュートがゴールに突き刺さり同点に。前半飛ばし気味だった新潟医療福祉大の足が止まり始める中、36分には清水加入内定MF六平光成(4年=前橋育英高)からのスルーパスを受けた安が左足で落ち着いてシュートを決めてついに逆転。その後はうまく時間を使い、3-2で中央大が逆転勝利を挙げた。

 中央大の白須監督はハーフタイムに「サイドを高く取らせた中でも切り替えを徹底させた」とサイドの守備を修正。守備時の今井と古賀の戻りが速くなり、チームとしてのバランスが修正された。Jリーグ加入内定者を5名擁するチームだが、白須監督は「個の能力は一番だと思う。関東大学リーグ後期はそれを引き出しきれなかった。個の能力をチームの力に変えられるかが大事だと思う」と語った。その意味では、危機的状況下で団結し勝利をつかむことができたのは今後への自信に繋がるだろう。総理大臣杯王者阪南大相手にどれだけやれるか楽しみだ。

 新潟医療福祉大は惜しくも勝利を逃したが、チームとしてまとまりがあり、中田、比嘉など能力の高い選手も多く、関東第4代表中央大を追いつめる素晴らしい戦いを見せ、大健闘と言えるだろう。

[写真]中央大は安(左)の決勝ゴールで大逆転勝利!
 
(取材・文 小林健志)

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