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[MOM212]明治大MF岩渕良太(4年)_ボランチに下がった後半に起死回生の同点弾

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[12.19 大学選手権1回戦 明治大 3-3(PK4-1) 中京大 川口]

 交代策が見事にはまった。明治大は1点ビハインドで迎えた後半24分、FW山村佑樹(4年=F東京U-18、水戸ホーリーホック入団内定)を下げて、MF石原幸治を投入。FW阪野豊史(4年=浦和ユース、浦和レッズ入団内定)の1トップ、MF三田啓貴(4年=FC東京U-18、FC東京内定)をトップ下にして、サイドに張っていたMF岩渕良太(4年=F東京U-18、松本山雅FC入団内定)をボランチに据えた。

 すると終了間際の後半41分、岩渕はゴール前で三田が粘ったところに後ろから走り込み、豪快にゴールネットを揺らした。「どこかで前に出ようと考えていた」。起死回生の同点ゴールで延長戦に持ち込むことに成功した。延長戦でも決着はつかなかったが、明治大はPK戦で中京大を下し、8強進出を決めた。

 驚きのボランチ起用だったかもしれない。だが抜群のサッカーセンスでベンチの要求に応えてみせる。「このような交代策は今まではあまりなかった。三田をもっと前でプレーさせるためにバランスの見れるポジションで僕を使ったのだと思います」。中盤に下がろうが、持ち前の決定力の高さを見せつけた。

 この日明治大は、ボールポゼッションで圧倒しながら、なかなかシュートまで持ち込めなかった。シュート数は13本を数えたが、得点を奪いたい後半は4本、延長に入ってからは前後半合わせて1本だった。「中京大のDFがよかったというのもある」とは神川明彦監督。「チームとしてシュートに対する意識が薄かった」と岩渕も認めるとおり、勝ち上がるためにはフィニッシュへの意識も課題だろう。

「個人としても、もっともっと得点にこだわっていきたい」。これまではFWやシャドーなど攻撃的な位置でのプレーを得意としてきた岩渕。戦術としては急造だったかもしれないが、岩渕が中盤の底にはまるようなら、明治大の新たなオプションになることは間違いない。

(取材・文 児玉幸洋)

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