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[MOM697]G大阪ユースMF小川直毅(2年)_抜く、運ぶ、飛び出す-躍動の10番

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[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[12.22 Jユースカップ準決勝 G大阪ユース1-0横浜FMユース 万博]

 抜く、運ぶ、飛び出す――前半、敵陣で躍動感を見せたのは、ガンバ大阪ユースの2年生MF小川直毅だった。身長168cmとやや小柄だが、抜群のスピードでゴールへ向かって行く。小川は前半を振り返り「今日は相手が結構食いついてくれたので、背後を狙いやすかった。足下にボールが入ってもそんなに取りに来ないので、前を向いてゴールに向かって行くことができた」と手ごたえを話した。ただ、自分自身の出来には納得していない。「チームが勝ったから良いですけど、自分的にはダメ。ドリブルでボールを失う回数が多かった。全部自分でやってやろうとしてしまった。もっと周りを見て生かせるようになりたい」と反省点も挙げていた。

「アイツがいないと、このチームはダメだ。そう言われるような選手になりたい」という目標にたどり着くためには、確かにもう一皮むける必要があるだろう。梅津博徳監督は「自分の武器を持っているし、生かしてくれるだけの仲間がいる。フィニッシュが3本に1本ぐらいの成功率なのだから、3本のチャンスを作り出さないといけない。もっと自分でチャンスを引き出す力をつけてほしい」と成長を促す。だが、この日の試合でも少しずつ改善の傾向は見られている。小川は「前半は、前へ前へとなり過ぎた。強気な部分は残したままで、もっと周りと連動したかった。後半はちょっと止まっている時間が多いなと思って斜めに動いたり、自分がどこでボールをもらいたいのかを考えながらプレーしていた」と、フリーランニングの質を上げようと試みていたことを明かした。

 成果は着実に表れている。主将を務めるDF福田浩規は「あいつは、足が速くて足下の技術がある。シュートの形も持っていると思う。ただ、以前は僕たちが最終ラインでボールを回して、顔を上げて目が合うと、それから動き出すような感じだった。ずっと動き出しについて要求をし続けて、今ではこっちが顔を上げたときには、もう狙いを持って動き出している。ボールを持っていないときの動きが分かってきて、今年はすごく良くなってきていると思う」と後輩が見せるプレーの進化を認めた。

 この日、G大阪は前半こそ横浜FMを相手に攻勢を続けたが、後半に失速。結果的には逃げ切るような形での勝利となった。小川は「守備で頑張って守り切るのはG大阪らしくない。2-1とかで(相手より多く)点を取って勝つチーム。しっかり優勝して、笑って3年生を送り出したい」と、ファイナルの舞台での『攻め倒し』を宣言した。攻撃重視というG大阪のDNAを受け継ぎ、タイトルまで上り詰める。そのイメージは、もうできている。

(取材・文 平野貴也)
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