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[皇后杯]3連覇もたらす劇弾、DF田中明日菜「信じられない」

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[12.24 皇后杯決勝 INAC1-0千葉 NACK]

 後半ロスタイムの劇弾で3連覇を成し遂げた。0-0で迎えた後半ロスタイム、INAC神戸レオネッサは左CKがファーサイドに流れたボールをMF澤穂希がゴール前に折り返す。FW高瀬愛実のシュートがDFに当たったこぼれ球をDF田中明日菜が右足で押し込んだ。

「信じられない」。殊勲の決勝弾を決めた田中は「こぼれてくるかなと思ったら、ほんとにこぼれてきた。自分で決めたい気持ちがあったので、うれしい」と白い歯をこぼす。今季限りで退任する星川敬監督への花道を飾る3連覇に「星川監督になってから初めて取ったタイトルだし、最後も絶対に取ろうと思っていた。最初から最後まで取れてよかった」と胸を張った。

 今季のなでしこリーグとの2冠を達成したINACだが、なでしこリーグカップは決勝で日テレ・ベレーザに2-3で敗れ、準優勝。国内外4クラブが参加し、11月に開催された国際女子クラブ選手権は決勝で欧州王者のリヨン(フランス)に延長戦の末、敗れた。

「タイトルを逃した衝撃は大きかったし、だからこそ、この大会にかける気持ちは強かった」。“常勝”を義務付けられたチームだからこそのプレッシャー。この日も高い位置から積極的にプレッシャーをかける千葉を相手にINACらしいサッカーは展開できなかったが、終了間際のセットプレーでタイトルをもぎ取った。

 有終の美を飾った2012年の全日程を終え、来季は新監督とともになでしこリーグ3連覇を目指す。ボランチとCBをこなす24歳は、4年後のリオデジャネイロ五輪に向けてリスタートを切るなでしこジャパンでも定位置確保の期待がかかる。「代表も新しく変わるかもしれない。そこに入っていけるように、チームで個人もチームもレベルアップしていきたい」と誓っていた。

(取材・文 西山紘平)

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