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[皇后杯]有終の“4連覇” INAC星川監督「感謝の気持ちしかない」

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[12.24 皇后杯決勝 INAC1-0千葉 NACK]

 有終の美を飾った。今季限りで退任するINAC神戸レオネッサの星川敬監督はチームを3連覇に導き、日テレ・ベレーザ監督時代を含めた“4連覇”を達成した。

 今季より皇后杯を賜り、名称変更された全日本女子選手権。「だれも触ったことのないカップを絶対に最初に触りたいと思っていた」。皇后杯の“初代女王”。指揮官は「監督人生の中で、ロスタイムのゴールで勝ったことはほとんどない。選手には感謝の気持ちしかない」と述べた。

 準決勝で右膝を負傷したDF近賀ゆかりが欠場。「この大会は毎年、苦労しているが、今年はケガ人が出て、自分が退任するということで選手にプレッシャーもかけてしまった」。近賀の代役にはDF南山千明を起用し、右膝痛を抱えるFW大野忍も先発させた。

「南山はビルドアップもできるし、昔から気心の知れている選手を使いたかった。大野も左足しか使えないけど、自分が納得のいくメンバーにしたかった」。メンバー構成の理由をそう明かした。

 千葉のプレッシャーに苦しめられながら後半ロスタイムにセットプレーから決勝点。指揮官は勝負強さをもたらしたメンタルの成長を勝因に挙げる。日テレ・ベレーザに敗れたなでしこリーグカップ決勝では「過去のベレーザ戦で試合内容は一番よかったのに、ミスで取られて、選手に取り返す気持ちが見られなかったし、選手も試合後、泣いていなかった」と振り返る。

「そこから大野がみんなを引き締めて立ち直り、苦しい試合をものにしてきた。今年は去年より引き分けも減って、チーム状態が悪くても勝ち切れるようになった。高い授業料だったが、払った価値があった」

 今後の去就については海外に出て指導者として成長していきたいと話す星川監督。最後に「澤を含めて、選手には伸びしろがある。他のチームも成長して、今日のように拮抗した試合が続けば、なでしこリーグの未来は明るいと感じた」と、2年2か月率いたINACへ、そして日本女子サッカー全体へメッセージを送った。

(取材・文 西山紘平)

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