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[大学選手権]清武投入後に流れが一変!後半の3発で福岡大が夏のリベンジに成功

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[12.24 大学選手権準決勝 福岡大 3-1 阪南大 味フィ西]

 九州の雄が夏の王者を沈めた。 第61回全日本大学選手権大会の準決勝が24日、味の素フィールド西が丘で行われ、第1試合では福岡大(九州1)と夏の総理大臣杯全日本大学サッカートーナメントを制した阪南大(関西1)が対戦。前半を1点ビハインドで折り返した福岡大だったが、後半風上に立つと一気に3点を奪い逆転。3-1で阪南大を下し、準優勝に終わった58回大会以来、3大会ぶりの決勝進出を決めた。決勝は来年1月6日に行われ、早稲田大(関東3)と対戦する。

 整列を終えた選手たちは右に阪南大、左に福岡大が散らばった。だが抽選に勝った阪南大が左側から攻めることを選択。前半は阪南大が風上からの攻撃を選択した。

 前半は阪南大が完璧にゲームを進めた。ダイレクトパスが繋がり、リズムよく攻める阪南大。「前半はすごく前線からの穴埋めもできたいた」。キャプテンDF本多勇喜(4年=名古屋U18、名古屋グランパス入団内定)も手ごたえを持ってプレーしていた。すると前半27分、右サイドでCKを獲得するとこぼれ球を、走りこんだMF神門拓弥(4年=G大阪ユース)が豪快に蹴り込み、先制に成功。完全に主導権を握って前半を終わらせた。

 だが後半は流れが一変する。前半劣勢を強いられた福岡大は、12分に右足首の負傷のためベンチスタートとなっていたMF清武功暉(4年=大分U-18)を投入。勝負に出たこの采配がピタリと当たり、直後の14分に清武のロングスローから、PA内でMF田中智大(4年=福岡U-18)が本多に倒され、PKを獲得。これを岸田ツインズの兄、FW岸田和人(4年=大分U-18)がゴール真ん中にチップキックで沈め、まずは同点に追いついた。

 勢いに乗る福岡大は後半17分、清武がドリブルでゴール前に侵入すると、岸田和にスルーパス。岸田和は左足でGKの股の間を抜き、あっという間に逆転に成功した。さらに勢いづく福岡大は、同20分にもMF田中智大(4年=福岡U-18)がPA内での個人技での突破から、決定的な3点目を突き刺し、同点から6分間で一気に試合を決めた。

「理想を言えば前半スコアレスで折り返して後半勝負というのを考えていたが、ハーフタイムには風下だった前半を1点で終われたというのをプラスに捕えようと話していた。夏の総理大臣杯で対戦した時は0-2から2-2に追いついているので(PK戦で敗退)、夏に比べれば楽じゃないかという話もした。1点入ったら一気に向こうは弱気になるよと感じていた」

 試合後、饒舌だった乾真寛監督。絶妙のタイミングでの清武の投入には、「後半ここぞというところで行こうと思っていた」と会心の采配に笑顔を見せた。

 リベンジマッチと位置付けた今大会。準々決勝では3年前決勝で敗れた明治大を破り、準決勝では夏の総理大臣杯でPK戦の末敗れた阪南大を下した。残るは過去進出した2度とも敗れている決勝の舞台。3度目の正直となるか。成し遂げるだけの勢いは今の福岡大にはある。

(取材・文 児玉幸洋)

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