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[選手権]10人の青森山田を撃破!!星稜が6大会ぶり8強へ

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[1.3 全国高校選手権3回戦 星稜2-0青森山田 駒沢]

 第91回全国高校サッカー選手権は3日、各地で3回戦を行い、駒沢陸上競技場の第1試合では星稜(石川)と青森山田(青森)が対戦した。2試合連続PK戦勝利で勝ち上がってきた青森山田は後半12分にDF小松崎雄太(3年)が一発退場。数的優位に立った星稜は後半34分に途中出場のMF寺村介(2年)が先制点を決めると、後半ロスタイムには同じく途中出場のFW今井渓太(3年)が追加点を挙げ、2-0で快勝した。6大会ぶりの8強入りを決めた星稜は5日の準々決勝で東海大仰星(大阪)と対戦する。

「立ち上がりは不安定なところがあるので、そこでひるまず、『出足で負けるな』と指示を出した」。星稜の河崎護監督が試合後に振り返ったとおり、立ち上がりは青森山田が高い位置から積極的にプレッシャーをかけてきた。しかし、序盤の劣勢をしのぎ、徐々に青森山田のプレスに対応し出した星稜は中盤でしっかりボールをつなぎながらシンプルに相手最終ラインの背後を狙い、チャンスをつくっていく。

 前半12分、右SB松岡哲(3年)のロングスローからFW村上駿(3年)が右サイドのスペースに抜け出したが、折り返しは味方に合わない。同26分にはMF稲垣拓斗(2年)が左45度から強烈な右足ミドルを放つが、シュートはGK田中雄大に弾かれた。青森山田も前半28分、DF室屋成主将(3年)が右サイドを駆け上がり、ゴール前に折り返したが、MF石井光(2年)はシュートを打ち切れない。同32分にはFW池上丈二(3年)の右FKからDF山田将之(3年)がヘディングシュート。セットプレーで高さを発揮し、チャンスをつくるが、前半は0-0で折り返した。

 一進一退のこう着状態で前半の40分間を終えると、後半12分のワンプレーが試合の流れを大きく変える。星稜は村上のスルーパスにFW采女優輝(3年)が反応。小松崎の前に体を入れ、ゴール前に抜け出そうとしたところで後方から小松崎に倒された。主審は決定的な得点機会の阻止でレッドカードを提示。小松崎は一発退場となった。

 星稜はこのプレーで獲得したFKをMF植田裕史(3年)が直接狙うが、クロスバーを直撃する。数的不利になった青森山田は後半14分、FW須貝一希(3年)に代えてMF縣翔平(3年)を投入。縣はCBに入り、前線を1枚削って4-4-1のシステムとなった。数的優位を生かし、一気にたたみかけたい星稜は後半18分、村上に代えて寺村を投入。寺村は左サイドに入り、稲垣が右サイド、MF井田遼平(3年)がトップ下に移った。

 これが“ケガの功名”だった。河崎監督は当初、井田に代えて寺村を入れるつもりだったという。ところが、直前に村上が足をつり、急きょ交代選手を変更。すると、ピッチに残った井田がトップ下の位置で攻撃のリズムに変化を付け、チャンスをうかがう。そして迎えた後半34分、井田が右サイドをドリブルで仕掛け、ゴールライン際までえぐってマイナスのクロス。これを寺村が豪快に右足で蹴り込み、待望の先制点を奪った。

 後半ロスタイムには青森山田の縣が最終ラインでボールをコントロールミス。これを途中出場の今井が奪ってGKとの1対1に持ち込み、冷静に右足で流し込んだ。2-0と試合を決定づけるダメ押しゴール。その後、星稜は自陣PA内でDF森下洋平(2年)がハンドを犯し、PKを与えたが、途中出場していたMF椎名政志(3年)のキックをGK置田竣也主将(3年)が横っ飛びで弾き出し、完封勝利を飾った。
 
 優勝候補の青森山田を2-0で打ち破り、06年度大会以来、6大会ぶりのベスト8進出を果たした星稜。5日の準々決勝に勝てば、MF本田圭佑(CSKAモスクワ)を擁した04年度大会以来、8大会ぶりの4強入りが決まる。

(取材・文 西山紘平)

【特設】高校選手権2012

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