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[MOM732]星稜MF寺村介(2年)_“本田圭佑超え”を誓う2年生アタッカー

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[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[1.3 全国高校選手権3回戦 星稜2-0青森山田 駒沢]

 先発落ちの悔しさをぶつけた。星稜(石川)は後半34分、途中出場のMF寺村介(2年)が値千金の先制点。前日2日の2回戦・松山工戦(2-0)にフル出場していた2年生アタッカーが途中出場で大仕事をやってのけた。

「入ったからには流れを変えて、ゴールかアシストをしようと思っていた」。出番は後半18分から。2回戦は先発していただけに悔しさも当然あったが、「ベンチで見ていて、崩せない相手じゃないと思っていた。前向きで持ったとき、ワンツーとかスルーで崩せると思った」と冷静に試合を分析していた。

 左サイドハーフを主戦場とする寺村だが、この日は対面に青森山田のDF室屋成(3年)がいた。11年のU-17W杯でも活躍し、今大会ナンバー1SBの呼び声高い相手に対し、「結構(オーバーラップで)上がってくる。僕は守備が苦手なので」と、ベンチスタートとなった理由を自分なりに理解していた。勝負どころで自分にチャンスが来る。集中力を研ぎ澄まして、その時を待っていた。

 12月31日の1回戦から4日間で3試合目の青森山田に対し、2回戦から登場の星稜は前日に続いて2試合目。疲労やコンディションにも差があった。「ショートコーナーをやったときにも、相手は付いてこれてなかった。“疲れているな”というのは感じていた」と寺村は言う。この日、自分に代わって先発したMF稲垣拓斗(2年)も同じ2年生。「競っているやつは2年生だし、競争が魂に火を付ける」。目の前の相手にも、同学年のライバルにも負けるわけにはいかなかった。

 6大会ぶりの準々決勝進出を決めた星稜はあと1勝で、MF本田圭佑(CSKAモスクワ)を擁し、同校初の4強入りを果たした04年度大会の記録に並ぶ。「全国優勝が目標なので。次も勝って優勝したい」。ベスト8も、ベスト4も、日本一への通過点。寺村は「本田選手がいたときの記録を超えたい」と力強く誓っていた。

(取材・文 西山紘平)

【特設】高校選手権2012
連載:高校マン・オブ・ザ・マッチ

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