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[選手権]「退場が計算外」、V候補・青森山田は3大会連続の16強敗退

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[1.3 全国高校選手権3回戦 星稜2-0青森山田 駒沢]

 悲願の全国制覇への道は、またしてもベスト16で途絶えた。青森山田(青森)は3大会連続の3回戦敗退。主将のMF椎名政志(3年)やMF縣翔平(3年)が故障を抱え、守護神のGK野坂浩亮(3年)は1回戦・野洲戦の接触プレーで十二指腸に穴が開く大ケガに見舞われた。満身創痍のチームは後半12分にDF小松崎雄太(3年)が一発退場。数的不利に立たされると、終盤の2失点で力尽きた。

 医者から絶対安静と言われている野坂はまだ入院中で、準決勝まで勝ち残れば国立競技場には観戦に来ることができる可能性もあった。「彼のためにも国立に連れて行きたかった。今は病室で泣いていると思う」。そう語った黒田剛監督は「退場が計算外。FWを一人減らさざるを得なかった。あれでプランがすべて崩れた。(故障を抱える)縣を入れざるを得なかったが、彼はハードワークできないし、(失点シーンでは)ボールがたまたまそこに行った」と悔やんだ。

 小松崎の退場後も「『11人分走ろう』とずっと言っていたけど……」というDF室屋成(3年)。「失点してしまって、そこで試合が決まってしまった」。後半34分に許した先制点で選手の集中力は切れた。後半ロスタイムには縣の単純なミスから追加点を許し、0-2。その後、相手のハンドでPKのチャンスを獲得するが、1、2回戦に続いて後半途中から出場した椎名のキックはGKのセーブに阻まれた。

 意地の1点を返すこともできず、零封負け。「1、2回戦はPKで勝ったけど、一番悔しいのは一度も(青森)山田らしいサッカーを展開できなかったこと」と椎名は唇をかんだ。不完全燃焼のベスト16敗退。優勝候補がまた1校、姿を消した。

(取材・文 西山紘平)

【特設】高校選手権2012

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