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[選手権]青森山田で全国準Vの兄越える!2得点の帝京長岡MF三田「優勝しかない」

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[1.3 全国高校選手権3回戦 帝京長岡4-1鹿児島城西 駒場]

 負傷に苦しんできた帝京長岡(新潟)の主将、MF三田陽介(3年)が2得点の活躍を見せた。登録155cmでピッチ上では誰より小柄だったが、抜群の運動量で縦横無尽に走りまわり、相手に厳しいプレッシャーをかけて決定的な仕事もする。2-1の前半35分にはゴール正面にわずかに開いたスペースを見逃さずに走りこむと、MF小塚和季(3年)から絶妙なラストパス。スピードに乗ったままコントロールした背番号6はDFを振り切り右足で今大会初ゴールを決めた。

 さらに後半27分には右オープンスペースへ飛び出したFW山田貴仁(2年)を逆サイドでサポート。DF2人を引きつけた山田からのラストパスを引き出すとGKとの1対1を制して、右足でこの日2点目のゴールを決めた。「自分は決めるだけだった。みんながあそこまでつないでくれたことに感謝したいです。自分は味方が持ったらしっかり3人目とかで関わることを意識していて、小塚が持った時は特に3人目を意識しているので。(1点目は)ちょうど小塚がいいパスをくれた」とチームメートに感謝。だが、いずれも開いたスペース、マークのズレを見逃さずに突き、正確な技術で歓喜に結びつけるファインゴールだった。

 三田はU-17新潟県選抜として出場した第15回国際ユースサッカー in 新潟ではU-17日本代表からゴールも奪っている実力者だが、両足首捻挫の影響もありベンチスタートを経験してきた。夏の全国高校総体では24分間の出場のみ。ただ、「試合に出る時間も短くて上手くなれなかったので、トレーニングで上手くなって試合に出てやろうと思って、トレーニングをしっかりとやっていました」というMFは故障を克服し、チームからの信頼も勝ち取ってレギュラーとして全国のピッチに立っている。初戦では先制点をアシスト。そしてこの日は2得点で8強進出の原動力となっている。

 目標は兄越えだ。兄のMF三田尚希(現法政大)は青森山田の2年生MFとして出場した09年度大会で全国準優勝。活躍が認められ、日本高校選抜にも選出された。それだけに三田は「兄を越えるためにひとつやってきた。兄を越えるためには優勝しかない。優勝したいと思っています」と宣言する。兄からもらった言葉は国立で戦うことの素晴らしさ。「『このピッチに立てることは本当に感謝した方がいいぞ』という言葉をもらいました」という。「国立に行くだけじゃ目指しているところが違う」と言い切るMFがその運動量で帝京長岡を引っ張り、兄越えの日本一に挑戦する。

(写真協力『高校サッカー年鑑』)

(取材・文 吉田太郎)

【特設】高校選手権2012

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