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[選手権]涙、涙の敗戦…東海大仰星の挑戦は国立一歩手前で潰える

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[1.5 全国高校選手権準々決勝 星稜1-1(PK5-4)東海大仰星 フクアリ]

 引き揚げてきた監督、選手全員が泣いていた。無念のPK負け。初の国立の舞台を目指した東海大仰星(大阪)の挑戦は、あと一歩のところで潰えた。

 東海大仰星にとっては8年ぶりの選手権の舞台だった。過去3回の出場で最高成績は01年度の2回戦進出。だが今大会は2回戦で聖光学院を1-0で破ると、3回戦の長崎総合科学大附戦も1-0で勝利。チャンスを確実のものにするサッカーで、初の準々決勝の舞台に駒を進めていた。この日の試合でも前半39分に相手GKのミスを見逃さず、FW田中翔(3年)が押し込み幸先よく先制。しかし後半17分に今大会初失点を喫すると、これもまた初のPK戦で無念の敗戦を喫した。

 PK戦で1番手で登場したのはキャプテンのMF萬雄大(3年)。しかし右に蹴ったシュートは相手GK置田竣也(3年)に見事に止められた。「メンタルを強く持っていったが、コースが甘くなってしまった」。試合後、30分以上もプレスルームに姿を見せなかったが、涙は乾いていなかった。

 しかし今大会は初の8強に進出し、サッカー部は新たな歴史を刻んだ。ラグビー部や野球部に比べてこれまで全国での実績に欠けていたが、全国8強という称号を手に入れた。

 下級生に期待の選手が多いのも東海大仰星の特長だ。PK戦の4人目で登場し、試合でもドリブルで相手陣内に切り込むなど、積極的なプレーを見せていたMF江郷下奨はまだ1年生。「1年生、2年生はしっかりしている。必ずベスト4に行ってほしい」。声を絞り出した萬は聖地国立でプレーするという夢を後輩たちに託していた。

(取材・文 児玉幸洋)
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