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[大学選手権]「まだまだ甘い」名古屋入りの注目CB牟田は大学ラストマッチで悪夢のOG

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[1.6 全日本大学選手権決勝 早稲田大3-1福岡大 国立]

「自分自身、日本一になったことはないですし、1年の時にも(決勝で敗れ)悔しい思いをしている。この舞台であの悔しい思いをもう後輩にさせないという気持ちで頑張ったんですけど、(自分自身)まだまだ甘いなと思います」。福岡大の主将、CB牟田雄祐(4年=筑陽学園高、名古屋グランパス内定)はそう口にすると唇を噛み締めた。

 勝てば福岡大にとって初の全日本大学選手権制覇。4年生の思いが空回りした訳ではないだろうが、立ち上がりから福岡大は勝負どころでミスを犯すなど勝機を活かすことができなかった。開始早々の前半2分に先制点を献上すると、同点機を逸した後の前半40分に相手の左クロスをゴール方向へ戻りながらクリアしようとした牟田が痛恨のオウンゴール。直後にFW岸田和人(4年=大分U-18)が自ら獲得したPKを得意のチップキックで決めて同点に追いついたが、後半も流れのいい時間帯がありながらも追いつくことができない。

 そして迎えた後半31分、自陣のルーズボールを今度はサガン鳥栖内定のSB岸田翔平(4年=大分U-18)が痛恨のキックミス。“プレゼントボール”に走りこんだ早稲田大FW富山貴光に痛すぎる3点目を奪われてしまった。1年時の準優勝の借りを返すことはできず。4年生は後輩たちに日本一という“宿題”を残してしまった。牟田は「客観的に自分自身を評価して、これからの自分、今の自分、今までの自分を見た中で実力不足だなと思います。きょうは自分自身、もし勝ったとしても…」と満足するには程遠いプレーだったことを認めた。

 4年生たちにとってはこれが大学生活ラストゲーム。これから新しいステージでの戦いが待っている。名古屋入りする牟田は「きょうだけじゃなくて、これからもこういう大舞台を経験することがあると思いますけれど、その中でこそ自分がどう貢献するか、自分自身がどうパフォーマンスを出すか、それが自分自身の課題だと思う。細かい課題はもっともっとあると思いますけれども、(きょう)勝ちに持っていけなかった自分の力不足」。成長することへ貪欲な大学ナンバー1DFと“地方の雄”福岡大。力不足を感じた国立ファイナルの悔しさを新たな成長への糧にする。

(取材・文 吉田太郎)
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