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[選手権]京都橘GK永井「満点」の内容、結果で「憧れ」の従兄弟越える

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[1.12 全国高校選手権準決勝 京都橘3-0桐光学園 国立]

 憧れの存在を越えた。京都橘(京都)のGK永井建成(2年)は今大会初の無失点で桐光学園(神奈川)に完封勝利。京都橘の鋭い寄せの前になかなかチャンスをつくることのできない桐光学園だったが、それでもFK、ロングスローから何とかしてゴールを破ろうと攻めこんできた。だがゴールマウスを守る2年生守護神の安定したキャッチング、守備範囲の広い守りの前に最後まで1点を奪うことができず。永井は「自分の中も満点でしたし、試合内容も満点でした。良かったです」と会心の表情を見せた。

 永井にとっては自身初の国立のピッチ。「もの凄い緊張しました」と振り返る。ただ、国立を知る身近な先輩からのアドバイスによって「楽しんで」プレーすることができた。「従兄弟も国立でプレーしていて。きょう連絡して、『落ち着いて、いつも通りとりあえず楽しめ』と。それでいつも通りに楽しもうかなと思いました」。従兄弟とは伊野波雅彦らとともに鹿児島実(鹿児島)でプレーし、03年度全国4強を経験しているDF森井惟吉。その従兄弟のアドバイスどおりに楽しんでプレーし、その成績を越える国立勝利を果たした。「(森井に)憧れて高校サッカーをやり始めたというのもある。(国立で勝てなかった)従兄弟の分まで勝ちたいというのがあります」と次は日本一の夢をかなえるつもりでいる。

 躍進を続ける京都橘とともに永井自身も、身体能力の高さを活かしたセービングやキックなど今大会で関係者たちからの評価を大きく上げている。これまではセットプレーやカウンターなどによって初戦から4試合連続で失点を喫してきたが、この日は桐光学園の強力攻撃陣を封じ込んだ。「はじめはみんな慌てて大丈夫かなと思ったんですけど、いつも通り前が点とってくれたので後ろは身体を張って守りました」とDF陣たちとゴールを死守。「満点」の内容で気分良く準決勝を終えた守護神は、決勝でも相手攻撃陣をシャットアウトする。

(写真協力『高校サッカー年鑑』)

(取材・文 吉田太郎)
【特設】高校選手権2012

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