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期待の藤枝東新10番、OB清水MF河井連想させる1年生MF藤原

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[2.2 静岡県高校新人戦中部地区準々決勝 藤枝東3-1清水商 藤枝東G]

 名門・藤枝東(静岡)の10番は現在1年生のMF藤原賢吏に託されている。この日は前半終了間際に左CKから決勝ゴールをアシスト。また清水商の鋭いプレッシャーを鮮やかに外して前へボールを進めるなど、小柄で細身のMFが印象的なプレーを続けていた。

 決してスピードはないものの、ファーストDFを正確な技術で外し、テンポよくボールを運ぶ姿から連想させたのは同じく藤枝東で10番を背負い、07年度全国高校選手権で準優勝しているMF河井陽介(現清水)の姿だ。07年度時にコーチを務めていた吉野友三監督も「(藤原は)上手いんですよ。テクニックは1番。(10番は)期待して。(入学時から)久しぶりに、河井以来に面白いなと。攻撃で1つ流れをつくるキープレーヤーと考えている」と期待を寄せる。

 昨秋の選手権県予選では河井もそうであったように、1年生ながら名門のトップ下を務めて奮闘した。そして新チームでは10番。藤原は「東高の10番は河井選手とか山田大記選手(現磐田)とかJリーガーばかりだから、最初10番と言われた時はビックリしたんですけど、ボクもそうなっていかなければいけないと思っています」と意気込んだ。
 
 Honda FC U-15出身で現在は浜松市の自宅から毎朝1時間半かけて通学している。「小学校から東高行きたいなと思っていた。選手権で準優勝した時に格好いいなと、憧れでした」。その憧れの10番を背負うMFは「『河井は前を向く力がすごく良かった』、と吉野先生(監督)が言っていた。ボクもなるべく前を向くことを意識していきたい。(きょうは)前半はボールを受けていたり、前を向いたり良かったんですけど、後半はあまり受けられなかった。後半の疲れた中でも受けたり、スルーパスを出したりしたい。あとアシストはまあまあしているんですけど、点が取れていない。点を取れるようにしたい。点です」。

 憧れの10番、河井は07年度全国高校選手権で4戦連発してチームを全国決勝へ導いた。まずはこの日の試合終盤に中盤、チーム全体を落ち着かせることのできなかった課題に取り込むことが第一。そして名門期待のMFは決定的なパスを出すことはもちろん、どん欲にゴールも狙って10番にふさわしい結果を残す。

(取材・文 吉田太郎)

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