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[練習試合]7年ぶりに福岡に復帰したGK水谷「あのスタジアムが一番好き」

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 アビスパ福岡は9日にG大阪と練習試合を行い、1日から始まった宮崎キャンプを終えている。この練習試合の1本目に出場したGK水谷雄一は、プレーはもちろん、常に指示の声を出し続け、圧倒的な存在感を示した。

 サッカー界には『後ろの声は、神の声』という格言がある。全体の状況をよりよく見えている後方の選手が出す指示は、前線の選手にとって大きな支えになるからだ。マリヤン・プシュニク監督が就任し、大きくスタイルを変更した福岡において、水谷の『声』はまさに神の声だろう。それにしても、新監督が就任してわずか1か月。なぜ水谷は的確な指示を出せるのだろうか。

「自分だけが(監督の意図を)分かっていても、まったく意味がないので。チームの一人ひとりが理解しないといけない」。そう指示を出し続ける理由を説明する水谷は、昨シーズンまで在籍していた京都の戦い方に似ていると続けた。「監督のやろうとするサッカーは、すごくシンプルだと思いますよ。『ボールに行く』っていうことは本当に大事ですし、チームとしてもっともっと意識を高めないといけない。まだまだビビっていて、後ろを気にしている部分があると思うので。京都のときも前から、前からプレッシングというサッカーをしていました。僕はそういうチームでやっているから、まだまだできると思います」。

 今シーズン、水谷は7年ぶりに福岡へ復帰した。あらためて、その理由を聞くと「好きだから」というストレートな答えが返ってきた。

「昨年、福岡がJ2で18位というのが、すごく寂しかった。好きな福岡だから、少しでも力になりたいというのが、帰ってきた一番の理由です。福岡のすべてが好きです。町も好きですし、チームも一番好きでした。何より、あの(レベルファイブ)スタジアムでプレーできることが。いろんなスタジアムに行きましたが、僕が一番大好きなのは、あのスタジアムなので。そこでまたやりたいなと思いました」

 開幕前に、チームは失っていた自信を取り戻したようだ。宮崎キャンプで行った練習試合では横浜FMと引き分け(1-1)、神戸(3-2)、G大阪(4-2)に勝利している。「昨シーズンの話を聞いていて、負け癖がついているイメージがありました。そういう状態だったから、トレーニングマッチでも勝つことが大事だし、その中で内容を求めていかないといけない。みんなに『変わりたい』という気持ちがあれば、絶対に変わると思うし、誰もトレーニングマッチに勝ったからと満足していない。勝てたことは大事ですが、一番大事なのはリーグだから」と、水谷は練習試合の結果に納得しつつも、気を引き締める。

 数多くの思い出があるホームで、新たに良い思い出をつくるために、水谷は体を張ってゴールを守り、チームメイトに指示を出し続ける。

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