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「情けない気持ちをずっと持っている」宇佐美が見つけた光明

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 ブンデスリーガは17日、第22節3日目を行い、MF宇佐美貴史の所属するホッフェンハイムはホームでFW岡崎慎司とDF酒井高徳の所属するシュツットガルトと対戦し、0-1で敗れた。チームは2連敗となったが、これまでの左サイドではなく、右サイドで先発した宇佐美は光明を見い出したようだった。

 右サイドを務めるMFロベルト・フィルミーノが累積警告で出場停止だったホッフェンハイムは中盤の右に宇佐美、左にMFケビン・フォラントを起用。右サイドへのサイドチェンジも多く、宇佐美が起点となってチャンスを演出する場面がいつも以上に目立った。宇佐美によると、自分自身が何かを変えたわけではなく、右利きの選手が多いメンバー構成上、普段から右サイド寄りの攻撃が多いチーム事情に影響されているのだという。

「左サイドで出ると、『動きが少ない』ということで代えられることもあるけど、左にいると、なかなか動くタイミングがつかめない。右利きが多いから、体も右に向きやすい。俺が動けるようなボールの持ち方をしていなかった」

 ところが、この日は右サイドに入ったことで、中盤でボールを持ったチームメイトが自分の方を向いて顔を上げている場面が多く、何度も視線が合った。必然的にタイミングが合い、サイドチェンジや縦パスなど、宇佐美の動き出しに合わせてボールが集まった。

「もうちょっとパスの精度が良ければ絶好のチャンスという場面も何度かあった。個人的にはかなりの収穫。ボールに触ってなんぼだし、右でやりやすさは感じた。試合中も監督から『その動きを続けろ』と言われていた。個人的には、このまま右にとどまりたい」

 フィルミーノが出場停止から明ける次節は、残留を争う17位アウクスブルクとの直接対決。大一番に右サイドで連続出場となるか、左サイドに戻るのか。マルコ・クルツ監督就任後、5試合連続で先発している宇佐美は「信頼は感じているし、結果で応えたい。全然点も取れてないし、アシストもできていない。ふがいないし、情けない気持ちをずっと持っている」と、入れ替え戦ラインの16位に低迷するチームの力になるべく、強い決意を口にしていた。

(取材・文 西山紘平)

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