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[練習試合]我慢の日々乗り越え…注目の中央大GKシュミット、自身を「印象づける一年に」

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[2.17 練習試合 関東大学選抜A 1-3 慶應義塾大 慶應義塾大G]

 大器が今年、本格的にその姿を披露する。この日、関東大学選抜Aの先発GKとして30分間を無失点に抑えた中央大のGKシュミット・ダニエル(3年=東北学院高)は、1年時から川崎フロンターレに強化指定されていた195cmの超大型守護神だ。ただし、全日本大学選抜に選出されるなど注目されながらもこれまで関東大学1部リーグに出場したのはわずか2試合だけ。チームでは、今季甲府入りしたGK岡西宏祐に阻まれて出場機会を得ることができなかった。

 それだけに大学最上級生となる今季への意気込みは特別だ。アメリカ人の父を持つシュミットは東北学院高(宮城)時代、「県ベスト4で結構喜んでいました」という無名の存在。ただし、中央大進学を決め、練習参加した仙台で評価を得たという。そして大学では公式戦の出場機会がほとんどないにも関わらず、将来性の高さを含めて注目の存在に。本人も、評価に結果を追いつけようと必死だ。「名前が先行しちゃっているところがある。2年間くらい岡西クンの下でやって焦りがありましたね。隠れてやっていた。(今年)やっとリーグ戦に出られる状況になるので、全試合出て、できるだけ自分のプレーを知ってもらえるように、印象づける一年になると思います」と力を込めた。

「周りの人はあまり思わないだろうけれど」と前置きしながらも「足下の技術は自信がある」というシュミットは、「ハイボールの処理はできないとダメだと思います」と長身を活かした守備とキックで名門・中大を最後方から支えるつもりだ。清水入りしたMF六平光成ら5人がJクラブへ進んだ昨年のチームでも全日本大学選手権準々決勝で阪南大に1-7で敗退するなど日本一に手が届かなかった。「ショックでしたね。何としてもリーグタイトルを獲りたいです」と誓う実力派の守護神が、大学ラストイヤーで注目度をさらに高める。

(取材・文 吉田太郎)

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