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J初挑戦の長崎「長崎県をひとつにする、サッカーで盛り上げるという義務がある」

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 2005年に誕生したV・ファーレン長崎が、JFLでの4年間の厳しい戦いを経て、いよいよJの舞台に挑戦する。22日、2013Jリーグキックオフカンファレンスに出席したMF佐藤由紀彦主将は「ボクらは長崎県をひとつにする、サッカーで盛り上げるという義務もありますので、少しでも多くの方にV・ファーレンの試合を見て、何かを感じ取ってもらえればいい。そういうパフォーマンス、そういう戦いを繰り広げたいと思います」と宣言した。

 佐藤は清水商高(静岡)で全国高校選手権優勝を経験し、清水からプロ入り。その後F東京や横浜FMなどで活躍してきた。Jで200試合以上に出場した実績を持つ佐藤は09年に長崎へ加入。JFLで勝ったり、負けたりもがきながら、4年間かけてチームをJの舞台へ引き上げてきた。それだけにJは佐藤自身にとっても、クラブにとっても念願の舞台だ。「(JFL時代は)活字にもならないし、写真にもならないし。自分も実際『どこでサッカーやってんの?』という言われ方もたくさんしてきました。全くサッカーのフォーカスされないところで歯を食いしばって頑張ってきたので、(特に)既存の選手はそういう意地は強いと思いますね」

 長崎にとって、J元年となる記念すべき年に主将を務める佐藤は「自分のやり方はともに苦しみながらもがきながら、その姿を後輩に見てもらって一緒にという感覚で今までやってきた。自分が引っ張るとかいう感覚ではないです」。新指揮官として、昨年まで熊本で指揮を執っていた高木琢也監督が就任。Jを知る指揮官の下、選手、スタッフ、そして地域が一丸となって「一緒に」戦っていく。

 まだ地元からは結果に対する強い要望はさほどないという。ただ、主将は周囲からの強いプレッシャーを期待している。「いずれ厳しい方向に向かってくると思う。それが(自分自身も)成長できた時期でもあったので、早くその瞬間が来ないかなという思いがあります。プレッシャーとかが選手を成長させると思うので、バンバン来て欲しいです」。J1年目であっても、やるからには「一番上を目指したい」というMFと長崎。長崎を盛り上げ、強豪クラブとなり、そして常に結果を求められる存在となる。

(取材・文 吉田太郎)

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