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昨季ナビスコ杯MVP柴崎「ひとつ怖い選手になるために」前へ

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 昨年のナビスコ杯決勝で2ゴールをマークし、鹿島アントラーズに通算16個目のタイトルをもたらしたMF柴崎岳。弱冠20歳にしてMVPを獲得したMFは、各クラブの顔が集った2013キックオフカンファレンスでも注目を集めたひとりだった。

 キックオフカンファレンスは当初、DF岩政大樹が出席する予定で柴崎は代役として出席したが、第1部のトークセッションでは司会者のターゲットに。「注目の若手」は「自分のクラブに今年ブレイクしそうな若手がいる」という質問について司会の松木安太郎氏たちから答えを求められると「(アナライザーのボタンは)押していません。ベテランにはブレイクしそうな選手はいるんですけど」と苦笑い。注目選手として自身の名を挙げなかった。それでも今年、より相手にとって怖い存在になるという思いがある。

「ボク自身、得点するところはより多くしていきたいと思いますし、アシスト数も増やしていきたいと思いますし、よりゴールに近い位置でプレーして、それを演出、直結させるプレーをより多くしていきたいなと考えています。ボクのポジションから飛び出していくプレーもできますし、それが非常に相手にとって的を絞り辛いと思うし、ひとつ怖い選手になるためには必要なことかなと思います」。

 圧倒的な技術と判断力の高さで試合をコントロールする新世代の司令塔は、昨年のリーグ戦では32試合に出場して1得点。ただし、決して前へ出ていく回数や、得点数が課題だったとは思っていない。トッププレーヤーになるために、体力、守備力の向上などこれまでコツコツ積み上げてきた柴崎にとって、次の段階へ上るための新たなピース。「足りなくはなかったと思います。自分はいつも自分を見つめて、行くべきタイミングを自分の中で考えてやっていましたし、ボクが行かないことでバランスが取れていたこともあったりしている。ですので、それは足りない部分だということではない。より精度を上げたり、質を上げたり、もちろん回数もそうですし、そういったタイミングを増やしていくこと、そういった流れをチームに持っていくことも重要だと思っているので、今年はより多くのそういった仕事をしたいなと思います。成長するため、よりレベルの高いところへ上るためにも必要不可欠な部分だと思いますし、求められる部分はどこかと言われれば、それはゴールであって、全員がそうだと思うので、それがまた評価にもつながるんじゃないかと思います」

 ただし、自身のゴールだけに注目して貰いたいわけでは決してない。「ゴールだけでなくて、ピンチを防いだディフェンスにも拍手を送ってほしいですし、それを防ぐために走っている選手にも拍手をして欲しいですし、いろいろないいところを見て、皆さんには評価してもらいたいなと思います」。大切なのは毎日の積み重ね。そしてレベルの高いチームメートと同様に、ピッチで自分自身を表現して結果として出していくことだ。「いろいろ積み上げていきたい部分はたくさんある。チームでやることが代表につながったり、いろいろな部分につながってくると思いますし、毎日の練習だったり、習慣だったり、行動だったりが全てつながってくると思うので、小さなところからコツコツ積み上げて、大きなところに行きたいなと思います」。同世代の世界的スターたちのいる場所に行くために、また積み重ねていく1年にする。

(取材・文 吉田太郎)

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