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広島サポの前で「見せたろ」の思い通じず、高校選抜FW浅野は悔い残る無得点

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[2.23 NEXT GENERATION MATCH U-18Jリーグ選抜0-0日本高校選抜 国立]

「覚えてもらうためにはいいプレーをしなければいけないんで、自分の中でも『見せたろ』というのがあったんですけど、なかなかボールを持った時もいい仕掛けができなかったですし、ボールを持つ回数も凄く少なかったと思う。まずはボールを引き寄せる力を上げて、引き寄せた後にいい判断をしながら、自分でもっとゴールまで運べる力をつけて、見ている人がオッと思うプレーをしたい」。

 富士ゼロックススーパー杯を戦うトップチームを応援するために国立競技場へ集まったサンフレッチェ広島サポーターの前でいいところを見せたかった。だが、日本高校選抜の左FWとして先発した広島所属のFW浅野拓磨(四日市中央工高)は、無得点で63分間のプレーを終えた。サポーターにアピールしたいという気持ちは非常に強く、いつも以上にテンションが上がってしまっていたことを本人も認める。カウンターからスピードを活かしたドリブルでボールを運び、決定機を演出する場面もあったが、一方で1対2の劣勢で強引に仕掛けてボールを失うなど、チャンスを潰してしまうような場面も少なくなかった。そして前半20分にはFW平秀斗の突破のこぼれ球にフリーで反応しながらも、左足シュートはゴール上方へ。試合を決める得点を奪うことができなかった。

 試合開始前の先発メンバー発表時、そして後半28分にピッチから退く際には広島サポーターから一際大きな拍手が送られていた。それだけに結果を残せなかったことに対する悔しさがある。また浅野は2年連続で高校選抜に選出されたが、0-3で敗れた昨年に続き、今年もU-18Jリーグ選抜から勝利することができず。全国約15万人の高校サッカー部の代表として戦いながら、今年も勝てなかったことが悔しさを大きくさせた。

「去年は2年生ながらも0-3というのは凄く悔しかったですし、(U-18Jリーグ選抜が)自分たちと同年代ということもあったので凄く悔しかったですし、今年もひとつ下の年代という意味からすると絶対に勝たなければいけないと思っていた。そういう気持ちだけじゃなくて、チームとして戦えないと、試合というものはいい方向に運べないのかなと思いましたし、勝負にこだわり過ぎたから慌ててしまった場面もあった。1点取って守ったら試合は勝てると思う。(自分自身も含めて)点を取るために何をしなくちゃいけないのかを一人ひとりがもっと冷静に考えられるようになったら、チームとしてつくり上げられるんじゃないかなと思います」と3月に欧州遠征へ出発するチームが向上するために必要な点を口にしていた。

 自身は勝利することができなかったが、広島はFW佐藤寿人のスーパーゴールで柏に勝利し1冠獲得。「寿人さんを見本とし、良いところをどんどん自分の物にしていきたいと思っている」と誓うFWは新たな刺激を受けた。次回、高校選抜が集合する3月上旬の合宿までに少しでも成長してチームに戻ってくる。 

(取材・文 吉田太郎)

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