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ACLを見据えて3バックを導入した柏ネルシーニョ監督

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[2.23 富士ゼロックススーパー杯 広島1-0柏 国立]

 17日のちばぎんカップで初めて3バックを採用した柏レイソルネルシーニョ監督が、富士ゼロックススーパー杯でもDF鈴木大輔、DF近藤直也、DF増嶋竜也の“180cmトリオ”を最終ラインに並べる3バックシステムを採用した。

 前線に入ったFWクレオのコンディションがまだ上がっていないことで前線にボールが収まらず、左右のウイングバックが最終ラインに吸収される時間帯が多くなってしまったが、途中で4バックに変えた千葉戦と違い、この日は最後まで3バックで押し通した。結果的には0-1で敗れたが、「2試合目としては仕上がりは良かった。後半はミスも少なくなり、チャンスの回数も増えた。後半は満足している」と手応えを口にした。

 ブラジル伝統の4バックと中央からの攻撃を融合させてJ1王者に輝いたのはわずか2シーズン前。そのネルシーニョ監督が3バック導入に踏み切ったのはなぜか。

 答えは「アジア」だ。「今、我々が見据えているのはACLの初戦(27日の貴州人和戦)。中国のチームには194cm、196cmという選手がいる。高さのある選手を1枚でも多く使えるシステムということで、3バックを使っている」

 3バックで昨季Jリーグ王者に輝いた広島の森保一監督は「レイソルは今、3バックを構築している段階だが、個の能力が高く、短期間でできるようにっているのはレベルが高いと思う」と、対戦した印象を説明した。06年途中から11年まで広島で指揮を執っていたペトロヴィッチ監督が率いる浦和をはじめ、3バックのチームが多くなっている傾向については、「難しい戦いが増えるが、選手たちはそういう相手を上回って勝つということをモチベーションとしている」と歓迎している。

 3バック同士の対戦という珍しいカードになったゼロックス杯だったが、ある意味、これは現在の流れを象徴する戦いだったと言える。サッカーファンにとっては3バック対決の妙を見るという楽しみが増える2013シーズンとなりそうだ。

(取材・文 矢内由美子)

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