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J1開幕!!浦和が敵地で王者・広島に競り勝つ

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[3.2 J1第1節 広島1-2浦和 Eスタ]

 2013シーズンのJ1リーグが2日、各地で開幕した。エディオンスタジアム広島では昨季のJ1王者・サンフレッチェ広島と昨季3位の浦和レッズが対戦し、浦和が2-1で競り勝った。浦和は前半38分、MF柏木陽介のゴールで先制すると、後半6分にもMF原口元気が追加点。広島も同10分にMF森崎浩司の直接FKで1点を返したが、浦和がそのまま逃げ切り、敵地での開幕戦を白星で飾った。

 広島はMF高萩洋次郎が内転筋のため欠場。FW佐藤寿人の後方に控える2シャドーにはMF石原直樹と森崎浩が入った。高萩に代わって石原が先発した以外は2月23日の富士ゼロックススーパー杯と同じメンバー。27日のACLブニョドコル戦はベンチスタートだった森崎浩、MF清水航平も先発した。
 浦和は26日のACL広州恒大戦を欠場したFW興梠慎三が1トップで先発。それ以外は広州戦と同じスタメンで、MFマルシオ・リシャルデスがベンチスタートとなり、2シャドーは柏木と原口が務めた。
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 両チームともに3-6-1のシステム。互いにパスサッカーを志向する同じサッカースタイルの2チームの対戦はこう着した試合展開となった。広島、浦和ともに最終ラインからしっかりとビルドアップし、攻撃を組み立てていくが、最後のところで相手守備陣を崩し切れない。広島は前半15分にDF塩谷司、浦和は同27分にDF森脇良太がミドルシュートを狙ったが、ともに大きくゴールの枠を外れた。

 昨季まで広島に在籍していた森脇がボールを持つたびにスタンドの広島サポーターからは大きなブーイングが飛ぶ。ジリジリとした試合展開の中、浦和がボールポゼッションを高めていくが、最初に決定機を迎えたのは広島。前半34分、カウンターから石原のラストパスに走り込んだ森崎浩が右足でシュートしたが、ゴール上に外れた。

 すると直後の前半38分、押し込みながらあと一歩攻め切れずにいた浦和が先制に成功する。左サイドでボールを持った原口がドリブルで中に仕掛け、右足でシュートを狙うと、ボールはゴール前に走り込む柏木の目の前に流れ、素早く右足を振り抜いた。

 試合の流れどおりに先制に成功した浦和は後半立ち上がりにも相手のミスを突いて追加点を奪う。後半6分、ハーフウェーライン付近で広島がファウル。FKの位置がずれていたようにも見えたが、柏木が素早いリスタートで右サイドのスペースにロングボールを蹴り込む。これを受けた原口がドリブルから右足を振り抜くと、グラウンダーのシュートをキャッチにいったGK西川周作が後方にこぼす、まさかのファンブル。ボールは転々とゴールマウスに吸い込まれ、浦和が2-0とリードを広げた。

 守護神のミスで2点ビハインドとなった広島だが、すぐさま1点を返す。後半10分、ゴールまで約25m、右45度からのFKのチャンスに森崎浩が左足を一閃。壁を越えたボールはクロスバーを弾いてゴールネットを揺らし、1-2と1点差に追い上げた。

 俄然、勢い付く広島は立て続けに浦和ゴールに迫る。後半17分にはMF石川大徳に代えてMF山岸智を投入。前半の試合展開から一変して広島がゲームを支配したが、同点ゴールが遠かった。対する浦和は後半21分、原口に代わってマルシオがピッチに入る。前がかりになる広島に対し、カウンターからダメ押しの3点目を狙ったが、同24分、MF梅崎司の右足ミドルはゴール上に浮いた。

 浦和は後半28分、移籍後公式戦初出場初先発の興梠をベンチに下げ、大卒ルーキーのFW阪野豊史を投入。阪野はACL広州戦に続く途中出場を果たした。広島も同32分、石原に代えて今季から正式にトップチームに昇格した18歳のMF野津田岳人をピッチに送る。同37分には塩谷のアーリークロスから佐藤が右足ボレーで狙ったが、DFのブロックに阻まれた。

 1点差のまま試合は終盤に入り、浦和は後半40分、柏木に代えてDF那須大亮を投入。柏から加入後公式戦初出場となった那須は中盤の中央に入り、守備時は阪野を前線に残した5-4-1の形でディフェンスを固め、広島の反撃を封じ込めた。王者・広島はホームでの開幕戦を落とし、黒星発進。浦和は、昨季の開幕戦でやはり広島に敗れていたリベンジを果たす白星スタートとなった。

(取材・文 西山紘平)

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