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横浜FMが逆転で昇格組の湘南を振り切り、同カードの連勝を8に伸ばす

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[3.2 J1第1節 横浜FM4-2湘南 日産ス]

 2013年のJ1が開幕し、昨シーズン4位の横浜F・マリノスは今シーズンからJ1に昇格した湘南ベルマーレと対戦した。前半40分にMF中村俊輔のFKで先制した横浜FMだったが、直後に湘南FWキリノにゴールを許し、同点に追いつかれる。さらに後半16分にも速攻からキリノに2点目を決められる苦しい展開に。それでも後半29分にFWマルキーニョスのゴールで追いつくと、同39分には交代出場のMF斎藤学がゴール。試合終了間際にもマルキーニョスがPKを決め、横浜FMが4-2で勝利している。

 横浜FMは北九州への期限付き移籍から復帰した端戸仁がスタメンで出場。一方の湘南は東京Vから加入したFW梶川諒太、タイのムアントンユナイテッドから加わったFWエジバウドが、スタメン入りしている。[スタメン&布陣はコチラ]

 リーグ戦で横浜FMは、97年8月23日に3-1で勝利して以来、湘南戦は7試合連続勝利と抜群の相性の良さを誇る。しかし、ハーフウェーラインまで一度、引いてスペースを埋める湘南をなかなか崩せない。良い試合の入りを見せた湘南は、梶川、キリノを軸とした速攻から横浜FMゴールに迫る。前半13分、同17分と立て続けにMF古林将太がミドルシュートからゴールを狙ったが、得点にはならなかった。

 横浜FMも中村が前線に飛び出してボールを受けることで、攻撃に変化を付けようとする。21分には右サイドでタメをつくり、DF小林祐三のオーバーラップを促す。小林にボールを預け、そこからゴール前にクロスが入ったが、マルキーニョスのヘッドは枠を逸れている。

 マルキーニョスにボールを入れさせずに、横浜FMに攻撃を組み立てさせない湘南は、前半31分にも速攻から梶川がボールを受け、遠目からシュートを放った。これも枠を右上に外れたが、湘南が狙い通りの戦いを見せていた。しかし、前半40分に先制したのは横浜FMだった。左サイドでファウルを受け、FKを得ると、これを中村が壁の上から落としてゴールに沈め、横浜FMが1点をリードした。

 先制を許した湘南だが、すぐに同点に追いつく。高い位置中盤でボールを拾ったキリノが中央に切れ込み、そのまま右足を振り抜く。低い弾道のシュートがゴールに突き刺さり、1-1と試合を振り出しに戻した。このまま前半は1-1で終了している。

 後半立ち上がり早々、横浜FMはPAすぐ外で中村が倒されてFKを得る。中村が自らゴールを狙ったが、このシュートはGK阿部伸行に防がれた。同5分にも中村はPA外でボールを受け、ドリブルでPA内に侵入。ループシュートでゴールを狙ったが、DF大野和成がヘッドでクリアーした。人数を掛けた攻撃を見せる横浜FMは、DFドゥトラが強烈なシュートを枠に飛ばしたが、これも阿部に防がれている。

 押し込まれていた湘南も、後半9分にMF永木亮太がドリブルで持ち込みシュート。その直後にも右サイドの角度のない位置から古林が意表を突くシュートを見せたが、いずれもGK榎本哲也が止めている。同10分、湘南は梶川に代えてFW武富孝介を起用する。同13分は湘南の縦パスをカットした横浜FMが、速攻を見せる。左サイドに残っていたMF中町公祐がフリーでゴール前に折り返す。これをマルキーニョスがダイレクトでシュートしたが、左足から放たれたシュートは、クロスバーを大きく越えて行った。その直後には交代出場した武富が、ドリブルで仕掛けてシュートしたが、ボールは右へ外れている。

 後半14分に横浜FMは、端戸に代えてMF斎藤を起用した。その2分後、追加点を挙げたのは湘南だった。右サイドでボールを受けたキリノが、DF中澤佑二をかわして、ドリブル。飛び出してきたGKのタイミングを外すアウトサイドシュートで、ボールをゴールに流し込み、2-1と点差を広げた。さらに19分にも右サイドの古林の折り返しを武富がヘッドで叩き込んだが、オフサイドと判定され、ゴールは認められなかった。

 横浜FMも交代選手が、流れを引き寄せる。後半19分に横浜FMは富澤を下げて、新加入のFW藤田祥史を起用すると、同20分にはロングボールから藤田が抜け出し、左足でシュート。しかし、これもGK阿部の好守に遭う。さらに24分にも途中出場の斎藤が得たFKの流れから、ゴール前に残っていた中澤が強烈なシュートを放ったが、GK阿部がブロックした。

 湘南を押し込む横浜FMは、後半29分に前線で藤田がロングボールを受けて、左の斎藤に預ける。斎藤が折り返したボールをマルキーニョスが決め、試合は2-2の振り出しに戻る。後半37分には粘り強くボールを繋いだ横浜FM、斎藤がPA内のマルキーニョスに預ける。DFに囲まれてこぼれたボールを動きを止めなかった斎藤が回収し、シュート。これが決まって横浜FMが逆転に成功した。

 失点直後に湘南は古林を下げ、DF亀川諒史を起用。さらに40分にもエジバウドを下げて、MF菊池大介をピッチに送り出し、交代枠を使い切った。後半ロスタイムには湘南の武富がシュートチャンスを得たが、最初のシュートはDFにブロックされる。こぼれ球を再びシュートしたが、クロスバーを越えて行った。その直後には斎藤から藤田へロングボールが出ると、藤田の折り返しにマルキーニョスが反応。シュートを打とうとしたところで、DFに倒されてPKを獲得。これをマルキーニョスが左に決めて、勝利を決定づけた。このまま試合終了となり、2010年以来となった横浜FMと湘南による神奈川ダービーは、4-2で横浜FMが勝利している。

(取材・文 河合拓)

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