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プロ初スタメンのルーキー本多が名古屋を救う!!ロスタイムに劇的ゴール押し込み、今季初白星もたらす

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[3.16 J1第3節 甲府0-1名古屋 中銀スタ]

 名古屋グランパスがルーキーDF本多勇喜のゴールによって、今季初勝利を飾った。開幕2戦勝利のない名古屋は、こちらも開幕2戦勝利のないヴァンフォーレ甲府と対戦。スコアレスで終えるかと思われた試合は、後半ロスタイムにプロ初先発の本多が劇的ゴールを押し込み、名古屋が1-0で勝利した。

 なりふり構っていられなかった。開幕2戦を戦い、1分1敗。ストイコビッチ監督は「変化が必要」と、今季初めてスタメンから田中マルクス闘莉王をFWで起用。システムもキャンプからこだわってきた3バックシステムを諦め、昨年までの4-3-3のシステムに戻す。CBでは阪南大から加入したルーキーDF本多勇喜を初先発させた。

 対するホームの甲府も、1分1敗とここまで勝利がない。前節C大阪戦(1-2)ではJ2時代の昨年6月から続いていたリーグ戦の不敗記録が26でストップした。先発メンバーは前節から変更はなかったが、開幕から2試合連続得点中の新戦力FWウーゴにこの日も期待がかかった。

 序盤はお互いなかなかゴール前まで持ち込めない展開が続いた。ようやく26分に甲府MF金子昌広が両チームを通じて最初のシュートを放つが、楢崎正剛に難なくキャッチされる。同32分にもウーゴが抜け出しシュートを放つが、楢崎にキャッチされた。

 だが徐々に甲府がゴールに迫るシーンが目立ちだした。前半42分、DF盛田剛平のシュートのこぼれ球を再び盛田が叩きつけたシュートで狙うが、左ポストに嫌われる。さらにロスタイムにはCKをMF佐々木翔がダイビングヘッドで合わせるが、ゴールラインぎりぎりで楢崎に防がれ、得点を奪うことは出来なかった。

 名古屋は深刻だった。前半36分にPA内右で強引にキープしたFW玉田圭司が左足を振り抜くが、わずかに枠上に外れてしまう。結局前半に放ったシュートはこの1本に終わってしまった。

 後半に入っても甲府ペースは変わらなかった。だが名古屋も体を張って、すんでのところで防ぐ。8分にはMF井澤惇にコースを突いたミドルシュートを放たれるが、またも楢崎が横っ飛びで弾きだした。

 だが甲府に11分、思わぬアクシデントが舞い込む。右サイドを抜け出そうとしたDF田中隼磨をDF松橋優が倒して、警告を受けてしまう。前半に1枚イエローカードを貰っていたため、退場。甲府は残り時間、10人での戦いを強いられることになった。

 相手が1人少なくなったことでようやく名古屋にも勢いが生まれる。直後のFKの流れから、田中隼がミドルシュートを狙う。これはGK荻晃太のビッグセーブに防がれたが、同13分にはMFヤキモフスキーに代えてFW矢野貴章、MF藤本淳吾に代えてMFダニルソンを投入。同19分には早くも3枚目のカード、DFダニエルに代えてMF磯村亮太を投入。磯村をそのままCBで起用する積極采配で、先制点を奪いに行った。

 だが甲府もあきらめない姿勢を見せる。後半28分、ショートコーナーからMF羽生直剛がクロス。ファーサイドでMF柏好文が体ごと投げ出す執念のプレーを見せるが、左に外れてしまう。

 数的優位のはずの名古屋だが、いわゆる“持たされる”展開が続き、決定的な場面を作り出せない。42分に左サイドからDF阿部翔平がクロスボールを入れるが、こぼれ球を押し込んだ矢野のシュートは、DF土屋征夫の体を張った守備に防がれた。

 だが後半ロスタイムにドラマが待ち構えていた。左サイドで得たFKをMF田口泰士が蹴る。すると風の判断を誤った荻がファンブル。詰めていた本多が押し込んで、名古屋に今季初白星をもたらした。

 初先発初ゴール。「緊張した」とプロ初先発を振り返った本多。「すごく気持ちよかった。無失点で抑えられたのも良かった」と初々しい笑顔を見せていた。

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