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[イギョラ杯]黒木&木村2発!“街クラブの雄”三菱養和SCユースが3位に

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[3.21 イギョラ杯3位決定戦 東京朝鮮高1-4三菱養和SCユース 味フィ西]

 第23回2013国際親善ユースサッカーイギョラカップ3位決定戦は三菱養和SCユース(東京)がFW黒木周とFW木村陸人のそれぞれ奪った2ゴールによって東京朝鮮高(東京)に4-1で快勝し、3位で大会を終えた。

 3年連続で全国リーグのプレミアリーグEASTへ挑む三菱養和が会心の勝利を挙げた。怪我で苦しんだ昨年から完全復活が近づいてきている印象の木村を最前線に2列目の黒木や左MF秋田翼が躍動。4ゴールで東京朝鮮をねじ伏せた。

 三菱養和は前半10分に左サイドを駆け上がった秋田がシュートを放つと、14分にはDF青山航のフィードで左オープンスペースを突いた秋田が中央へ鋭いラストパス。GKが弾いたボールを黒木が右足で押し込み、先制点を挙げる。さらに22分には左サイドから抜け出した黒木がDFをかわして右足シュートを流し込んだ。さらに28分には、またもや左サイドを飛び出した秋田の折り返しを木村がダイレクトで合わせて3-0とした。

 一方、自陣の深い位置からボールをつなごうとする東京朝鮮は、三菱養和のプレッシャーの甘さを突いたMFムン・スヒョンがドリブルで切り崩し、左サイドから縦に仕掛けるMFリャン・ソッチュやMFキム・サンドクの個人技で対抗。後半開始直後には右サイドのFWリ・キョンソンからの折り返しをキム・サンドクが決めて1点を返す。

 ただし、三菱養和は後半もサイド攻撃からチャンスをつくり続ける。3バックが正確なキックで起点となると、DF池田樹雷人のスルーパスから左サイドを抜け出す秋田が再三決定的な仕事をしていたほか、抜群のスピードを持つ右MF相馬勇紀の仕掛けなどで東京朝鮮にプレッシャーをかける。対人で強さを発揮する東京朝鮮はCBキム・キジュ中心に粘り強く対応していたが、三菱養和は11分に右オープンスペースへ飛び出した木村のクロスを交代出場のMF下田悠哉が決定的なヘディングシュート。そして16分、左サイドを抜け出した下田が中央へ折り返すと、フリーの木村が右足で4点目のゴールを破った。

 三菱養和の両翼の攻撃力は高く、2年前のプレミアリーグEAST開幕5試合で4ゴールを叩きだした木村が復調。またDF飯泉涼矢やDF横山道一ら下級生時から積極的に起用されて経験を積んできた選手の多い“街クラブの雄”は、今年も期待が大きい。その中で開幕へ向けたイギョラ杯は3位。秋田は「(イギョラ杯は)レベル高いチームが多かったので、その中でプレミアへ向けての準備だったと思う。準決勝で惜しい形で負けちゃったけれど、3決ではプライドにかけても負けられなかったので勝ててよかった」。また今年から指揮を執る山本信夫監督は「まだチームをつくっている途中ですけれど、攻撃の時にいいポジションからスタートして、何とか自分たちで狙いを持ってプレーをしましょうということをやっている。(きょうは)練習でやってきてことが少しできたかなと思っている」と評価した。

 昨年までコーチを務めていた山本監督が「厳しいことは分かっていますし、厳しい時にどうするかということが必要になってくる」と評したプレミアリーグ。Jクラブユースチームや名門校に比べると劣る面も少なくないが、明るさが最大の特長であるチームは一丸となって勝ち点を重ね、3年連続での残留、さらに上位を目指す。イギョラ杯で3試合に出場し、6得点を挙げた木村は「こういう大会だけじゃなくて、本当はちゃんとプレミアで取れるようにしないといけない。点取ることにはこだわっていきたいと思っている。去年プレミアでは全体でも20いっていないくらいだったので(14得点)。今年は決めきるところにこだわっていきたい。毎試合1点取るくらいやっていかないと残留は難しいし、上にもいけないと思うので取っていく」と誓っていた。

[写真]三菱養和SCユースの黒木は2ゴール

(取材・文 吉田太郎)

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