[ミズノカップIN香川]自分たちのサッカーを「楽しんだ」興國が参加16チームの頂点に!
[3.31 ミズノカップU-18IN香川決勝 九州国際大付1-2興國 香川県営サッカー・ラグビー場]
「ミズノカップU-18 IN 香川(うどん県)2013」決勝が31日に香川県営サッカー・ラグビー場で行われ、興國(大阪)がDF大上健の決勝ゴールによって九州国際大付(福岡)に2-1で逆転勝ち。出場16チームの頂点に立った。
「楽しむ」サッカーが決勝でも輝いた。準決勝終了の2時間30分後に始まった決勝。ともに柱となる選手を残しつつ、連戦の疲労を考慮したメンバー構成で行われた戦いで、序盤リズムよく試合を進めていたのは九国大付だった。
昨年3月の「ミズノカップU-18 IN 高知2012」準優勝。2月の福岡県高校新人戦、九州新人大会でもいずれも準優勝とあと一歩のところでタイトルを逃している九国大付は、興國得意のドリブルとショートパスに対し、簡単に飛び込まずに上手く前方を遮りながら試合を進めると、インターセプトからの縦に速い攻撃でチャンスをつくり出す。13分にはMF山下敬大のラストパスに走りこんだ左SB岩崎尚将が決定機を迎えたほか、前線のFW{{庄野海}とFW末廣直紀の2トップが豊富な運動量でゴール前へ走りこんでくる。
ベンチからの「楽しめ」「楽しめ」の声の中、CBからFWまで相手の逆を取るドリブルを見せ、徹底したポゼッションで切り崩す興國は司令塔MF渡部大樹のゲームメークからエースFW金容輔が高速ドリブルで鋭くPAへ切れ込んでいたものの、前半はイージーミスがあり、攻撃時に選手同士の動きが重なってしまうなど、「例え負けても自分たちのサッカーを貫く」というほどこだわりを持つスタイルを上手く表現することができない。そして前半28分、九国大付は左中間から1本のパスで縦に抜け出した庄野がそのまま左足シュートをゴールへ突き刺し、先制した。
その後、互いに微妙な判定でチャンスを逸した両チーム。九国大付が1-0とリードして前半を終えたが、渡部が「やっていて楽しい。自分らのサッカーは難しいけれど、その分、上に行けば行くほど、楽しくなってくる。(きょうも)試合していて楽しかったですし。ボクからもみんなに楽しめ、楽しめと声をかけていました」という興國が運動量の落ちた九国大付を逆転する。8分、左中間からドリブルでPAへ持ち込んだ金が、得意の左足でゴール右サイドネットへ突き刺すファインゴール。すると、13分には2年生FW川上翔梧がドリブルで左サイドを攻略し、最後はPAへこぼれたボールに右サイドから走りこんだ大上が「いつもは点取るような選手じゃない。(決められて)嬉しかった」と右足で決勝ゴールを叩き込んだ。
相手をいなしながら3点目を狙う興國に対し、九国大付は終盤、CB宮本歩を前線へ上げるパワープレーも交えて同点ゴールを目指す。だが「今年は最後勝ち切ることができる。去年は支配しながらカウンターでゲームを落とすことが多かったんですけど、今年は勝ち切ることができているのでいい流れです」という注目CB北谷史孝主将を中心とした興國守備陣の壁は厚く、九国大付は同点に追いつくことができなかった。
昨年Jリーガー2人を輩出するして注目を集めた興國。春のミズノカップを制して、今後へ弾みをつけた。ただ内野智章監督は「去年に比べたらボールの動かし方とか足下にも及んでいないと思う。去年はもっとスムーズに、テンポよく、右からも、左からも、真ん中からも、カウンターでも点が取れた。そう考えるとまだまだかな。ポジショニングもベンチや渡部なんかが言わないとできない。去年はそれぞれが『アイツが動けばこういくやろう』みたいに、チームメートの特長をしっかり把握してプレーできた。今年はまだまだ北谷や渡部へのストレスがかかっている。去年はみんなが楽しんでいたし、まだまだ全体のレベルを上げていかないとダメ」と指摘した。
昨年は育成面での目標は達成したが、府大会では総体、選手権予選ともに4強。自分たちのサッカーにこだわってきたチームは結果を勝ち取るまでには至らなかった。渡部は「結局上に行かないと見てもらえない。ただ、勝ちにこだわって興國のサッカーができなくなっても、興國らしくなくなって『何やねん』となると思う。楽しんだ時の興國は強いと思うから、楽しんでサッカーしていたら、結果がついてきて全国いける。だから楽しんでいく」。今大会のように自分たちが楽しいサッカーをした先に頂点が見えてくる。この日、タイトルを勝ち取ることを学んだ選手たちは、より技術を高め、モチベーションを高めて、今シーズンを楽しむ。
[写真]優勝を喜ぶ興國イレブン。優勝のチャンピオンシャツには「ゲキサカ」の文字も
(取材・文 吉田太郎)
▼関連リンク
ミズノカップU-18 IN 香川2013特設ページ
▼ミズノ・フットボール情報はこちら→http://www.mizunofootball.com/
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「ミズノカップU-18 IN 香川(うどん県)2013」決勝が31日に香川県営サッカー・ラグビー場で行われ、興國(大阪)がDF大上健の決勝ゴールによって九州国際大付(福岡)に2-1で逆転勝ち。出場16チームの頂点に立った。
「楽しむ」サッカーが決勝でも輝いた。準決勝終了の2時間30分後に始まった決勝。ともに柱となる選手を残しつつ、連戦の疲労を考慮したメンバー構成で行われた戦いで、序盤リズムよく試合を進めていたのは九国大付だった。
昨年3月の「ミズノカップU-18 IN 高知2012」準優勝。2月の福岡県高校新人戦、九州新人大会でもいずれも準優勝とあと一歩のところでタイトルを逃している九国大付は、興國得意のドリブルとショートパスに対し、簡単に飛び込まずに上手く前方を遮りながら試合を進めると、インターセプトからの縦に速い攻撃でチャンスをつくり出す。13分にはMF山下敬大のラストパスに走りこんだ左SB岩崎尚将が決定機を迎えたほか、前線のFW{{庄野海}とFW末廣直紀の2トップが豊富な運動量でゴール前へ走りこんでくる。
ベンチからの「楽しめ」「楽しめ」の声の中、CBからFWまで相手の逆を取るドリブルを見せ、徹底したポゼッションで切り崩す興國は司令塔MF渡部大樹のゲームメークからエースFW金容輔が高速ドリブルで鋭くPAへ切れ込んでいたものの、前半はイージーミスがあり、攻撃時に選手同士の動きが重なってしまうなど、「例え負けても自分たちのサッカーを貫く」というほどこだわりを持つスタイルを上手く表現することができない。そして前半28分、九国大付は左中間から1本のパスで縦に抜け出した庄野がそのまま左足シュートをゴールへ突き刺し、先制した。
その後、互いに微妙な判定でチャンスを逸した両チーム。九国大付が1-0とリードして前半を終えたが、渡部が「やっていて楽しい。自分らのサッカーは難しいけれど、その分、上に行けば行くほど、楽しくなってくる。(きょうも)試合していて楽しかったですし。ボクからもみんなに楽しめ、楽しめと声をかけていました」という興國が運動量の落ちた九国大付を逆転する。8分、左中間からドリブルでPAへ持ち込んだ金が、得意の左足でゴール右サイドネットへ突き刺すファインゴール。すると、13分には2年生FW川上翔梧がドリブルで左サイドを攻略し、最後はPAへこぼれたボールに右サイドから走りこんだ大上が「いつもは点取るような選手じゃない。(決められて)嬉しかった」と右足で決勝ゴールを叩き込んだ。
相手をいなしながら3点目を狙う興國に対し、九国大付は終盤、CB宮本歩を前線へ上げるパワープレーも交えて同点ゴールを目指す。だが「今年は最後勝ち切ることができる。去年は支配しながらカウンターでゲームを落とすことが多かったんですけど、今年は勝ち切ることができているのでいい流れです」という注目CB北谷史孝主将を中心とした興國守備陣の壁は厚く、九国大付は同点に追いつくことができなかった。
昨年Jリーガー2人を輩出するして注目を集めた興國。春のミズノカップを制して、今後へ弾みをつけた。ただ内野智章監督は「去年に比べたらボールの動かし方とか足下にも及んでいないと思う。去年はもっとスムーズに、テンポよく、右からも、左からも、真ん中からも、カウンターでも点が取れた。そう考えるとまだまだかな。ポジショニングもベンチや渡部なんかが言わないとできない。去年はそれぞれが『アイツが動けばこういくやろう』みたいに、チームメートの特長をしっかり把握してプレーできた。今年はまだまだ北谷や渡部へのストレスがかかっている。去年はみんなが楽しんでいたし、まだまだ全体のレベルを上げていかないとダメ」と指摘した。
昨年は育成面での目標は達成したが、府大会では総体、選手権予選ともに4強。自分たちのサッカーにこだわってきたチームは結果を勝ち取るまでには至らなかった。渡部は「結局上に行かないと見てもらえない。ただ、勝ちにこだわって興國のサッカーができなくなっても、興國らしくなくなって『何やねん』となると思う。楽しんだ時の興國は強いと思うから、楽しんでサッカーしていたら、結果がついてきて全国いける。だから楽しんでいく」。今大会のように自分たちが楽しいサッカーをした先に頂点が見えてくる。この日、タイトルを勝ち取ることを学んだ選手たちは、より技術を高め、モチベーションを高めて、今シーズンを楽しむ。
[写真]優勝を喜ぶ興國イレブン。優勝のチャンピオンシャツには「ゲキサカ」の文字も
(取材・文 吉田太郎)
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