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検本が関西遠征の成果発揮する同点弾!NIKE FCが全国常連の奈良育英U-17とドロー!

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[4.2 練習試合 NIKE FC1-1奈良育英高 J-GREEN堺]

 ユース世代のフットボールプレーヤーをサポートするナイキジャパンが育成年代に向けて行っている特別強化プログラム「NIKE FC」は関西遠征最終日の2日、練習試合2試合を行い、第2試合では全国大会常連の強豪、奈良育英高(奈良)のU-17チームと対戦。前半を0-1で折り返したが、後半15分にMF検本裕也(立川国際中等教育学校3年)が同点ゴールを決めて1-1で引き分けた。

 2日間の関西遠征の成果を発揮するファインゴールだった。0-1で迎えた後半15分、NIKE FCはパス交換から敵陣右中間で前を向いたMF八重樫幸起(東大和高3年)が縦へスルーパス。左からDFを振りきって斜めに走りこんだ検本が右足を振りぬくと、GKに当たったボールはそのままゆっくりとゴールへ吸い込まれた。殊勲の検本は「パスも良かったです。2列目から裏を狙えと言われていたのもあったので、スペースがあったら斜めに飛び込んでやろうと思っていた。ちょうど裏が開いていた。ボールを受けてからはGKを見ないで感覚で打ったら入りました。ちょっとコースを変えたくらいでしたけれど。スルーパスの形は練習をしてきたし、自分でパスを出すか決めたかったので入って良かったです」と喜んでいた。 

 選手たちのほとんどにとっては普段対戦することができないような強豪校からの1点。チームには笑顔が溢れていたが、このゴールは今回の合宿でのひとつの成果だった。前日、イングランドの名門、マンチェスター・Uのニール・ライアンアカデミーコーチから特別指導を受けた選手たちは、9対9において、スルーパスでエンドゾーンをとるトレーニングを重ねていた。ポイントは「受け手の斜めの走りに対して、縦へのスルーパス」と「斜めのパスに対して受け手の縦へのラン」。ゲーム形式の中で繰り返し行なっていたことが、本番でゴールとして表れた。

 勝つチャンスもあった試合だった。京都橘高(京都)と行った第1戦に続き、4-5-1システムで試合に臨んだNIKE FCはGK佐藤建太(柏日体高3年)、4バックは右から生田目将汰(大山高2年)、北村大輔(藤沢西高3年)、石田優輝(大東文化大一高3年)、南雲丈一郎(東大和高2年)。中盤は長谷川慧多(柏日体高3年)と大野良騎(松山高1年)のダブルボランチでトップ下が丁野大河(田方農高3年)。右MFが和田健二(大森学園高3年)、左が山口和樹(日本ウエルネス高3年)、1トップには渕野大介(神奈川大附高2年)が入った。

 第1試合では攻撃面でほとんどいいところのなかったNIKE FCだが、この試合では前半からビッグチャンスをつくった。まずは4分、渕野のキープからバイタルエリアを上手く抜け出した丁野が一気に前進。右サイドでフォローした長谷川の折り返しを丁野がゴールへ押しこむ。相手DFを崩しながらもこの場面はオフサイドの判定でノーゴールとなった。だが、その後も攻めるNIKE FCは8分に右サイドからの折り返しを丁野が右足で叩き、24分には渕野が右オープンスペースを突いた和田へ縦パスを送ると、俊足を活かして追いついた和田が完ぺきなクロスボール。フリーで走りこんだ長谷川の右足シュートは枠を越えたものの、決定機ををつくった。

 長谷川と大野のダブルボランチが第1試合に比べて前を向く回数を増やし、球離れも速くなったため攻撃にリズムがあった。守備面でも前半10分にディフェンスラインの背後を取られてGKもかわされたが、無人のゴールへ放たれたシュートを懸命に戻った石田がスーパークリア。また南雲が冷静な対応で相手の突破を阻み、北村が対人で好守を見せる。ただ、28分に不用意な守りで失点。前半を0-1で折り返すこととなった。

 後半からGK片山淳介(神奈川大附高1年)、DF渡辺拓磨(石神井高3年)、検本を投入したNIKE FCはさらに10分にMF石積玲央(橘高3年)、FW池田豊史貴(浅野高3年)、MF久保竜士(三浦学苑高1年)、そして八重樫をピッチへ送り出した。15分に歓喜のゴールを奪うと、終盤は勢いに乗って奈良育英ゴールへ迫っていく。右サイドの八重樫がDFを鮮やかにかわしてクロスを上げたほか、久保がPA手前でシュートチャンスを迎える場面もあった。そして25分のFW犬飼元氣(東京23FCセカンド=高3)投入後には検本の左クロスに反応した池田がダイビングヘッド。これはゴールのわずか右へ外れ勝ち越すことができなかったが、NIKE FCのリー・マンソンヘッドコーチが「2試合目は本当に良かった。チームになっていた。いい時間のことは忘れないようにしてほしい」と選手たちを讃える内容の試合で強豪と引き分けた。

 検本は2試合を振り返って「疲れた時にパスミスが増えてきてしまっていた。そこで決め切らないというのがあるので、最後まで集中力を切らさないこと。あとディフェンスはレベルが高いチームだとプレスが速いので、判断を速くしなければ、中盤で取られてしまう。相手のレベルが高い時のためにパスのレベルを上げていかないといけない」と目標を掲げ、「自分のチームはあまり強くないので、ここで得た経験を活かせていけたらと思います」と今回の経験を活かすことを誓っていた。今回の関西遠征でチームを指導したマンチェスター・Uのニール・ライアンアカデミーコーチは「こうやって(異なるチームの選手達が)集まってプレーするのは難しいと思う。その中でみんなは集中してトレーニングをしてくれた。ゲームの中でも成長は見えたし、まだまだ足りないところもあると思うし、それについては繰り返し練習してください。あとはサッカーを楽しんでください。毎回の練習、試合から何らかを学んでほしい。そうやって成長していってほしい」とアドバイス。普段できない貴重な経験をし、意識を高めた選手たちは、チームに戻ってから練習を繰り返して自身の成長を目指す。

(取材・文 吉田太郎)

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