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三田V弾!1部初参戦の東洋大が昨年2位の明治大撃破:関東1部

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[4.6 関東大学リーグ1部第1節 明治大0-1東洋大 味フィ西]

 6日に開催された第87回関東大学サッカーリーグ戦関東1部リーグ開幕戦で昨年2位の明治大と、昨年の2部優勝チームで1部初挑戦となる東洋大が対戦。FW三田尚央(4年=F東京U-18)の決勝ゴールによって東洋大が1-0で勝った。

 1966年のサッカー部発足から約半世紀。念願だった1部の舞台で東洋大イレブンが躍動した。立ち上がり2分に右サイドからカットインしてきた右SB馬渡和彰(4年=市立船橋高)の左足シュートが枠を捉える。これは明大GK三浦龍輝(3年=F東京U-18)の好セーブに阻まれたが、8分にはGKへのプレスからインターセプトし、MF平石直人(3年=帝京高)が右足シュート。9分にもFW黒須大輔(4年=習志野高)とのワンツーから三田が右足を振りぬく。2部時代に経験したことのないような素早いプレスと明大の技術の高さによって、ボールを持たれている時間の方が長かった東洋大だが、鋭いカウンターからサイドを攻略してチャンスをつくり、ゴールへ迫った。

 そして前半14分だ。左サイドで黒須からのパスを受けた三田が、上手く中央の開いたスペースへとボールを運ぶとそのまま右足一閃。強烈な一撃がゴールへ突き刺さった。札幌や山形でプレーした経歴を持つ古川毅監督が「ある意味異質な開幕戦。お客さんがたくさん入っている中でやるところは我々にとっては初めて。そこで先に格上と言われている相手に先制されると浮き足立つ形が想定された」と分析する中で奪った1点がチームを勢い付けた。

 先制された明大は攻め急ぐことなく、じっくりとボールを回しながら相手の急所を突こうとする。鋭いターンからのドリブルでDFに穴を開けるMF和泉竜司(2年=市立船橋高)やジュビロ磐田内定が発表された右SB小川大貴主将(4年=磐田ユース)の攻撃参加をアクセントに反撃。32分には相手GKのクリアボールをインターセプトしたFW三橋隼斗(4年=鹿島学園高)の右足シュートがポストをかすめるなど惜しいシーンもつくった。

 明大は0-1で折り返した後半開始から快足MF石原幸治(3年=市立船橋高)、16分にFW矢島慎太郎(3年=浦和ユース)を投入すると、スルーパスを引き出した石原が相手の脇へ潜り込むなど、ポゼッションからサイドの切り崩しを図っていく。そして19分には右サイドをワンツーで崩し、MF上松瑛(4年=洛南高)の折り返しに和泉が決定的な形で飛び込んだ。

 ただ、自陣で守りを固めながらカウンターを狙う東洋大は崩れなかった。足を攣らせる選手が続出しながらも、最終ラインではCB郡司昌弥(2年=柏U-18)が再三チームを救うプレー。また後半20分から緊急出場となった1年生CB星清太(関東一高)がセットプレーから放り込まれた危険なボールを立て続けに弾き返すなど存在感を放つ。本来のよりボールを保持して攻めるサッカーには持ち込めなかったが、キャプテンマークを巻いたMF桑田直徹(4年=大宮ユース)中心にチームは我慢強かった。終盤は完全に押し込まれる展開となったものの、ボールに対する高い集中力と素早い反応を最後まで持続していた東洋大が1点を守りきった。

 東洋大は2部の期間が長かったが、近年はJリーガーも輩出。今年プロ入りしたDF松本怜大は札幌で開幕戦から先発を務め、現4年生にも関東選抜の黒須らプロ入りを狙う選手たちがいる。また2007年に大宮と業務提携を結び、サッカー部を総合的強化。古川監督ら大宮から指導者が派遣され、選手たちは普段からプロの指導者からトレーニングを受けているほか、大宮のキャンプ、練習に参加し、プロの選手たち相手にレベルを高めることもできている。そして昨年は2部史上最速優勝。今年は1部1年目となるが、選手たちの意識は高い。黒須は「今年は自信を持ってやりたい。インカレ出場は目標にしていますし、1試合1試合勝ち点積み上げることが重要だと思う」と誓った。

 会心のスタートを切ったチームは今後、どこまで勝ち点を積み重ねるか。古川監督は「1部だと毎試合毎試合ギリギリの戦いの中でいかに勝ち点を積み重ねていくということになると思う。これからの21試合の方が大変になると思う。それだけのコンディショニングやチームとしての戦い方というのを一週間ごとに準備して次の試合、次の試合へと向かうことができていければと思う」。油断は全くない。初体験となる1部の厳しい戦いの中で自分たちの力を100パーセント出しきって目標を達成する。

[写真]前半14分、FW三田の先制ゴールを喜ぶ東洋大イレブン

(取材・文 吉田太郎)
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