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92~94年の筑波大以来となる3連覇へ!王者・専修大が6発発進:関東1部

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[4.6 関東大学リーグ1部第1節 専修大6-2桐蔭横浜大 味フィ西]

 JR東日本カップ2013 第87回関東大学サッカーリーグ戦関東1部リーグが6日に開幕。第1節2試合が行われ、3連覇を狙う専修大と1部初参戦の桐蔭横浜大との一戦は6-2で専大が快勝した。

 V3について問われた源平貴久監督は「難しいかなというのが正直あります。CBが若かったり、固定できなかったりというのがあるので、難しいかなというのが客観的に見た感想です。でも、それ以上の攻撃力でやって、というところを目標にやっている。攻撃は去年、一昨年よりも大分力がついてあると思う、そこでどう点を取っていくかと思います」と語った。確かに不安はある。それでも横浜F・マリノス特別指定選手のMF長澤和輝主将(4年=八千代高)、MF下田北斗(4年=大清水高)、FW仲川輝人(3年=川崎F U-18)、右SB北爪健吾(3年=前橋育英高)の全日本大学選抜4選手と、7人の関東大学選抜選手を擁するタレント軍団は圧巻の攻撃力を示して6発発進した。

 前半9分、MF山崎将(3年=浜松開誠館高)のシュートのこぼれ球をMF山根視来(2年=ウィザス高)に右足で押し込まれて桐蔭大に1部初ゴールをプレゼントしてしまう。対してなかなかシュートまで持ち込んでいなかった専大だが長澤が「90分かけてしっかりとひっくり返せればと思っていた。失点した時点での焦りはなかった」というように逆転に成功する。23分、PAやや外側でインターセプトしたFW稲葉圭吾(4年=帝京三高)からのラストパスを受けた10番FW仲川が「自分の角度で決める自信があった」という右中間から右足で同点ゴールを流し込む。

 追いついた専大はさらに左サイドからダイアゴナルランで中央へ潜り込んでくるFW前澤甲気(3年=清水商高)が連続ゴールを決める。42分に長澤のラストパスから前澤が右足で同点ゴールを決めると、後半2分にも稲葉のアシストから再び前澤が右足で決めて3-1とした。

 関東選抜のGK島崎恭平(4年=流通経済大柏高)がビッグセーブを連発しながらも試合をひっくり返された桐蔭大だが、12分にCB古澤慶太(3年=習志野高)のフィードからMF岡本洵(3年=広島ユース)が頭でDFの背後へ落とし、抜け出した山根が2点目のゴールを叩き込んだ。少ない決定機で2失点。守備面の不安が出て1点差とされてしまった専大だったが、指揮官が「ハマると攻めっぱなしになれる」という攻撃力で桐蔭大をねじ伏せた。

 後半17分、下田のシュートのこぼれ球を仲川が右中間で拾うと、右サイドを駆け上がった北爪の動きに桐蔭大DF2人つられる。この隙を逃さなかった仲川が右足シュートをゴール左隅へねじ込み4-2。さらに雨で濡れたピッチで持ち味のパスサッカーを展開する専大は24分にも右サイドを攻略した北爪の折り返しを長澤が冷静に右足で決めて5点目を奪う。40分にも仲川のラストパスを1年生の快足FW佐藤遵樹(千葉U-18)が体ごとゴールへ押し込み6-2で快勝した。

 11年度全国制覇にも大きく貢献したCB鈴木雄也主将(現Honda FC)とCB栗山直樹(現千葉)が抜けた穴は大きい。だがリーグダントツトップの得点数で優勝した昨年、一昨年を上回る攻撃力。選抜メンバーが多く、ほぼぶっつけ本番で迎えた試合だったが下級生から経験を積んできた長澤や下田、そしてMF星野有亮(3年=静岡学園高)を軸に完全にボールを支配し、両SBのオーバーラップを交えた攻撃で次々とゴールを破っていった。ピッチサイドから見守ったライバルチームの監督たちも「強い」と認める力。ただ、主将の長澤は「立ち上がりに失点してしまったんですけど、最初から上手くいくとは思っていなくて、そこからグラウンドが濡れたり、徐々にチームの中でパスが回ったりして結果的に6点取れた。初戦を勝ちで終わられたのは良かった。まだまだ守備の部分だったり、攻撃の方も6点取れたんですけど、決めるべきチャンスはもっともっとあったと思う。リーグが進んでいけば、チャンスも少なくなる。この結果に満足することなく、攻撃も守備の部分ももっともっと練習して改善していければと思います」と引き締めていた。

 連覇を狙った昨年度の全日本大学選手権は準々決勝でPK戦敗退。それでもリーグ3連覇を狙うチームは各大学のターゲットになっている。守備陣の踏ん張りと成長、そしてリーグナンバー1の攻撃陣の爆発が必須となってくるが、課題を改善し、包囲網を乗り越えて92年から94年まで筑波大以来となる3連覇を成し遂げる。

[写真]FW前澤の2得点など専大は6発勝利

(取材・文 吉田太郎)
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