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移籍後初ゴールの浦和FW興梠「これからどれくらい取れるか楽しみ」

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[4.14 J1第6節 浦和2-0湘南 埼玉]

 誰もが待ち望んでいた一撃だった。DF森脇良太は、歓喜の瞬間を振り返る。「後ろにいましたが、めちゃくちゃ嬉しかったですよ。決まった瞬間に『こんなに速く走れるのか』って、自分でも驚くくらいダッシュしましたからね」。

 前半30分のことだ。浦和レッズのFW興梠慎三は、MF柏木陽介のロングボールを右足のつま先で合わせ、ゴールに突き刺した。今シーズン、鹿島から加入したストライカーは、ここまで無得点だった。「動き出す前に、(柏木)陽介と目が合った。良い動き出しができれば、合わせてくれるかなと思っていました。僕は触るだけだったので、イメージ通りのボールを出してくれた陽介に感謝しています」と、興梠は振り返った。

 待望の初得点を挙げたことについては「ホッとした」と話すが、自身のプレーには納得できていないようだ。「悔しい気持ちはありますね。後半にもチャンスがあったのに決められなかった。ああいうのをきっちり決めないと、優勝争いの中で苦しくなることもあると思う。(チームは)2点目までは取れているので良いですが、勝利を決定するゴールを挙げられていない」と、後半31分にMF宇賀神友弥からのパスを受けて、フリーで放ったシューをクロスバーに当てた場面を反省する。

 だが、興梠にとって初ゴールは間違いなく吉兆だ。実際に昨シーズンも5節の浦和戦で初ゴールを挙げた興梠は、その後に4試合連続ゴールを叩き込んでいる。

「毎年1点決めると、どんどん続けて点を取れるので。そんなに深くは考えていませんが、これからどれくらい取れるのかが自分でも楽しみですし、毎試合決定機は何本かある。それを決めていれば、今頃、得点王争いができているくらいだったと思います。そういうチャンスをきっちり決めていきたいし、決めないとチームに迷惑をかけることになると思うので、決めていきたいです」

 次節、浦和はアウェーで大宮との埼玉ダービーを戦う。今シーズン新加入の興梠は、その重みを口にした。「次の大宮戦は浦和レッズにとって大切な試合と聞いていますので、気持ちで絶対に負けないようにしたい。お互い負けなしなので、ここで勝って、突き放したいと思います」。ホームで初ゴールを挙げ、サポーターからのコールをようやく受けることができた興梠が、いよいよゴール量産体勢に入った。

(取材・文 河合拓)

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