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[関東1部]連敗スタートの慶應義塾大、J注目MF松下主将「落ち込む必要はない」

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[4.13 関東大学リーグ1部第2節 早稲田大2-1慶應義塾大 味フィ西]

 慶應義塾大は早稲田大との伝統の一戦「早慶戦」を1-2で落とし、連敗スタートとなった。日本一を掲げてスタートしたシーズンだが、開幕ダッシュは失敗。それでも全日本大学選抜のMF松下純土主将(4年=國學院久我山高)は非常に前向きだ。「2連敗してしまいましたけれど、ボクらはそこで落ち込む必要もないと思います。22試合中のまだ2試合しか終わっていないので、ここで悪い流れを断ち切って、次、(対戦相手は)リーグチャンピオンの専修大学ですけど、一週間しっかり準備して連敗を止めたい」と必ず巻き返すことを誓った。

 MF河井陽介(現清水)らを擁した一昨年度はリーグ3位に入り、全日本大学選手権でも4強。昨年は主力の大半が抜けながらも、残留争いを制して9位に入った。須田芳正監督が「価値ある残留」と表現した1部残留。迎えた今年は松下や全日本大学選抜MF武藤嘉紀(3年=F東京U-18)、そしてMF近藤貫太(2年=愛媛ユース)、MF増田湧介(3年=清水東高)、GK峯達也(3年=桐光学園高)といった関東選抜クラスの経験者たちが残り、再び上位進出が期待される。松下は昨年、連敗した際になかなか立て直すことができなかった反省を今年に活かす意気込み。近年の「凄く真面目な方たち」(松下)という主将たちと比較して、非常にポジティブな性格と自認する主将は「ネガティブに、ネガティブに行かないで、ボクは常に前を向いてポジティブに盛り上げるという役に徹している。去年も負けがこんだ時にみんなが落ち込んで下を向くことによって次も次も悪い結果になっていった。そこは反面教師ではないですけど、下を向く必要はないなと感じていますし、この一週間でどれだけチームを盛り上げていけるかだと思いますので、そこはやっていきたいと思います」と語った。

 入学直後の開幕戦からピッチに立ってきた松下自身、今年はプロ入りを控えた重要な一年となる。チームではボランチ、全日本大学選抜ではCBとしてチームを勝利へと導かなければならない。そしてJクラブに自分自身の実力をより認めさせなければならない。自身の特長と課題について「(特長は)ボランチだったら、守備の時は自陣のペナまで戻って、攻撃の時は一旦サイドへ散らしてからボクがゴール前に入っていくボックストゥボックスでの運動量だったり、散らすところ、そしてクッションをつくるところです。課題は監督やスカウトの人にも言われるんですけど、ボランチのところでペナ付近で相手に楔が入った時に挟みに行ったり、そこでセンターバックと上手くコミュニケーションを取りながら、センターバック2枚とボランチ2枚で上手く締めて真ん中を割らせないところであったり、ディフェンスではもっと泥臭くやっていかなければいけないと思っています」と分析。Jで1年目から戦力となるために成長していかなければならない。

 守備面については3月のドイツ遠征で手応えを掴んできている。「世界でボクはあまり経験がなかった。ただ、ユニバーシアードでは身体の大きな選手や高い選手とやらなければいけない。ボクよりも身長が高い相手とやる中で、身体で勝てない分、予測をいつもよりも速くして先にボールに触るといった感覚はドイツでつかめたと思う。ユニバーシアードで他の国の人たちとサッカーをしていく前にいい経験ができたと思います」。180cm、65kgの松下が学んだ対外国人選手への守備。この経験やユニバーシアードでの経験はプロ入り後も活かされるはずだ。

 主将として臨む大学最終年について「“死ぬ気”でやりたいと思います。チームの日本一のために主将として、“死ぬ気”で1年間戦っていきたいというのと、自分の目標であるJに入って1年目から活躍するということを視野に入れつつ、試合だけでなく日々の練習から100パーセントでやっていきたい」。まずは目の前の関東リーグ戦に集中。自身のすべてをかけてチームを前進させる。

(取材・文 吉田太郎)
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