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[C☆voice80]明治大DF小川大貴「今のままだと、ただ『ジュビロに入るから』というだけで見られてしまう」

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 大学サッカー界の注目選手にその時どきの課題や目標について聞く連載企画「College star voice」。第80回は明治大のDF小川大貴選手(4年=磐田ユース)です。

 強豪・明大の主将はすでに来年のジュビロ磐田入りが発表されている実力派SBだ。個で局面を打開する突破と正確なクロス、そして得点力と大学サッカー界屈指の攻撃的SBは対人の守備もハイレベル。その注目DFの今年の目標とは?(取材日:4月6日)

―東洋大戦(4月6日、0-1で敗戦)を振り返って
「結果は0-1で負けてしまったんですけど、(明治大の)半分くらいが2年生。その人達がリーグ戦の雰囲気だったり、試合の流れというものを感じてもらって、結果としては良くなかったですけれど、自分たちができるという部分をプレーしていて感じられたと思う。問題は決定力だったり、最後のシーンだと思うんですけど、そこまでは行けていて、何度もいい形はあったので、次に繋がるというところはあったのかなと思います」

―チャンスをつくることができていたことについては前向きなゲーム
「これから多分、相手がゴール前で守って、自分たちが主導権を握ることが多くなってくると思う。2部から上がってきたチームなどはそういう戦い方をしてくる可能性がある。今のままだったら(自分たちが)足りないということに気づけた点については、いい試合だったかなと思います」

―気づくことができたのは
「前半は特に中に、中にと楔を当てて、真ん中から崩そうとして、でも相手は真ん中を固めてきていたので、ハーフタイムにサイドから行こうと話をした。逆に後半はサイド、サイドとなり過ぎちゃって、相手がゴール前でブロックを組んで来た時にアイディアが足りなかったかなと思う。連係だったり、イマジネーションだったり、コンビネーションというのが、まだまだだったかなと思います」

―自分自身、仕掛けようとしていたけれど、躊躇もしていたようだった
「ボールを持った時に第1にゴールを見て、次にクロスを上げることやワンツーを考えるんですけど、前を向いた時に敵のカバーもいたので。(自分の前に)2枚いたり、3枚いたりしたので、そこはボクが仕掛けて取られるよりも、こっちに人数をかけている分、逆サイドへ展開して行った方がいいのかなと。後半、特に自分たちがボールを支配できて、サイドでボールを受けることができた時にクロスの質だったり、カットインの質だったり、シュートの質だったり、パスの質だったりがまだまだ足りないのかなと思います」

―自分のパフォーマンスについては
「あまり良くはなかったです。SBなんでまずは守備。ゴールキックから(小柄な)ボクのところを特に狙われてしまった。攻撃は何度もいい位置で受けることはできていたんですけど、その後の決定的なパスだったりが少なかった」

―ジュビロ入りが発表された直後、力を見せたかったはず
「ボクは案外気にしていないです。そう見られることは仕方ないですし、見られた方が、今まで見られてこなかったので、なかなか目立ていないので、やっぱり結果を残さないと目立ちませんし、今のままだと、ただ『ジュビロに入るから』というだけで見られてしまう。そうじゃなくて、いいプレーをしているからと言われるようにならないと、ボクとしては(注目して)見られていても、別に何のプレッシャーでもない。『アシストしてナンボ』だと言われるくらいになりたいなと思っている」

―下級生の時から期待されてきて、結果も出し続けているが
「選抜とかも選ばれていて、去年もリーグ戦のベストイレブンとか取れてはいるんですけど、それが自分の中で満足できる結果ではなかったですし、自分の目指しているのは、点が取れてアシストもできるSB。やっぱり目立つといった部分だったり、存在感を出すといった部分で人と違うことをすると言ったら、そういう点を取るということがあるのかなと思う。去年も2ゴール7アシストしかできていない。だから全然。このままジュビロに行っても試合に出られない。だからもっともっと頑張らないといけない」

―スピードなど相手にとって怖い存在ではあると思うが
「スピードもウリでやっている。攻撃だけじゃなくて守備も得意にしているので1対1は負けたくないです」

―ジュビロ入りを決めた要因は古巣に戻りたいと?
「それだけと言っていいくらい。中高、ジュビロだったので」

―高校の時も昇格するチャンスはあったのでは
「(高校時代は)実力的には今上がったところで多分試合に出れないと思いましたし、絶対に必要とされていないと思っていた。悔しいと言うよりも自分が全然足りないんだなと思って、大学行ったら1年生の時の4年生が山田(大記)クンと裕クン(小林裕紀)で。(プロで活躍する人と自分は)こんなに違うんだと思って、『やらなきゃいけないな』と。すごく良かったですね。(明大に)2人がいたことは」

―明治に来て成長して、今は胸張ってジュビロへ行ける?
「行けますね。明治で試合に出るのもまあまあキツくて、本当にトップチームのメンバーが1週間でコロコロ変わりますし、試合のメンバーも調子良かったら本当にすぐ代わってしまう。そういう中で2年生からですけど、試合に出ていることは自信になっています。何より、ジュビロのキャンプに行った時に、去年はパニックだったんですけど、今年は緊張もすることなくて。(後輩の)1年生も2人行ったので、自分が見せなきゃいかないのもあったんですけど、できた部分も多かったので、早く行きたいなと思いました」

―今年1年間、どのような1年に
「最近、明治大学としてタイトルが取れていない。リーグ戦も2年連続2位ですし、インカレも去年がベスト8で、その前が準優勝。特にそのうち3回は専修が優勝している。今、専修の時代のような感じになっていますけれど、そこを破ってタイトルが取れればいいですね。自分としては、進路が決まったから安心するんじゃなくて、ジュビロに行くのは来年の話なので、明治でということだけを考えてタイトルを取りにいきたい」

(取材・文 吉田太郎)
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連載:「College star voice」

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