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[C☆voice86]筑波大MF上村岬「コイツからすべてが始まっているという選手になりたい」

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 大学サッカー界の注目選手にその時どきの課題や目標について聞く連載企画「College star voice」。第86回は筑波大の全日本大学選抜MF上村岬選手(4年=磐田ユース)です。

 今月2日に早くも“古巣”ジュビロ磐田加入が内定。技術に絶対的な自信を持ち、名門・筑波大の得点に必ず絡んでくる異才の今年にかける思いとは?(取材日:4月13日)

―流通経済大戦(1-1)を振り返って
「ショートカウンターで攻めてくるのは分かっていた。なるべく低い位置でボールを取られないようにしようと意識して、あとは立ち上がりどんどん裏を狙って、相手をひっくり返してボクらのペースをつくっていこうという話だった。立ち上がりは初戦よりは悪くなくて、ボールもまだ回せていたんですけど、もう一つ高い位置でボールを回して自分たちの良さをペナ付近で出せれば良かった。でも我慢しよう、我慢しようと言って、後半絶対に相手が疲れて間が空いてくると思っていたので、そこで上手くボールを回しながらああいう得点が取れた」

―アシストする前にも、同じような形で吉川(修平)にパスを通していた
「ディフェンスの身体の向きと吉川の入り方を見て、前へ落として上げた方がいいかなと。高さ的にもいいところに出せたと思う」

―2戦未勝利。チームとしては結果が出ていない
「我慢してやり続けるしか無いと思っている。一戦一戦落ち込んで、『ヤバイ、ヤバイ』と言っている場合じゃない。本当に次に向けて何が良くて、何が悪かったのかという分析をして、切り替えて続けてやっていくしかない」

―自分自身のパフォーマンスについては
「もっと前で受けないといけない。最初、3トップのサイドを張っている時にもっと受けてリズムを作ってあげれば良かったんですけど、なかなか自分がしっかり受けてあげられなかったので、少し後ろが苦しかったかなと思います。後半途中からボランチに入って結構思っていたより中盤が開いているなと思って、受けて少しリズムをつくれるようになったので、そっちの方がいいのかなと思った。パスワークのリズムができたかなと思ったので、前で受けた方がいいのか、前に行く一つ前のところでゲームを作ってあげたほうがいいのか。その点を考えていきたい」

―開幕前に進路を決めた
「自分を一番必要としてくれるチームで活躍したいし、もちろん自分がユース出身で3年間育ててくれた恩返しをしたいという思いも強かった。だから早めに決めて今のチームにも一生懸命専念できるようにしたかった。あとは筑波の上村岬と、ジュビロの上村岬という2つの周りからの目線があるというプレッシャーを自分にもかけたいなと思った。もちろんプレーの面でもそうですし、人として、社会人としてもそういったところで周りからのプレッシャーを感じていきたいと思って早めに決めました」

―自信を持って帰ることができる
「本当に温かく迎えてくれた。この一年は大学サッカーに専念できるので、受け入れてくれたことは本当に感謝しています」

―高校3年の時は昇格できずに悔しさもあった
「その時は確かに『なんで上げねぇんだよ』『絶対に戻ってやんねぇーぞ』という気持ちだったんですけど、今はここまで来て逆に感謝しかない。上がらなくて大学に行かせてくれて、本当に感謝していますね」

―4年間を見た上で高い評価。クラブからはどのような言葉を
「ジュビロはユースから大学を出て、またUターンで戻るというのがほぼ初めてということ。その第1期生という訳じゃないですけど、(明治大の)小川と二人で成長できて、ジュビロ側も感謝してくれていましたし、期待もしてもらっているので開幕から試合に絡んでいきたい」

―中盤は層が厚い
「人は本当にいると思うし、筑波にないものをしっかり持っている。逆に自分が筑波で磨いたものを新たなスパイスとなるように加えていければいいと思う。具体的に言うと、前に前田さんとか、山崎さんとか金園さんがいるんですけど、攻撃が単調になり過ぎた時に、そこを間でしっかりといい形で受けてあげたり、間でパスをつなげてあげたり、局面でいい形で受けてあげたり、パスをしっかりとつないで崩して上げられたらなと。そうすれば前がもっと活きるし、バイタルエリアで自分がたくさんボールを受けられるんじゃないかと思う」

―他にも見て貰いたいところがいっぱいある
「ジュビロ自体が魂入ったサッカーをやるんで、サッカー選手として、まず一生懸命やること。技術には自信をもっているんで、一生懸命やれば自然と結果はついてくると思う。温かい目で応援してくれればと思います」

―ユース時代のようにまた10番を背負えれば
「難しいです。でも(山田)大記さんの後に続ける選手になれるように、活躍したいですね」

―今年はプレッシャーがかかる
「やって当たり前の、結果を出して当たり前の1年にしなきゃいけないなと思っている。その中でもやれないとプロでも活躍できないと思う。軸というか、コイツからすべてが始まっているという感じの選手になれればいいかなと思っている。どの得点見ても、誰から始まったとなった時に上村から始まったと言われるような選手になりたいですね」

(取材・文 吉田太郎)
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連載:「College star voice」

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