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「球際で負ける部分が多かった」2戦15発の王者・阪南大、大阪産業大に逆転負け!:関西1部

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[4.20 関西学生リーグ1部第3節 阪南大2-3大阪産業大 J-GREEN堺]

 20日、J-GREEN堺(大阪府)で第91回関西学生サッカーリーグ1部第3節の阪南大対大阪産業大戦が行われた。2戦2勝15得点で首位の阪南大は2-1で迎えた後半に逆転を許し、2-3で敗北。大産大は今季初勝利で1勝2分の4位へ浮上している。

 昨季は関西リーグ1部と総理大臣杯全日本大学サッカートーナメントを制し、全日本大学選手権(インカレ)では第3位の成績を残した阪南大。連覇を狙う今季は開幕2連勝、2戦で15得点をあげる順調な滑り出しを見せていたが、3連勝をかけて臨んだ今節、昨季10位の“伏兵”大産大に屈した。

 試合は立ち上がりから阪南大が猛攻を仕掛ける。開始早々にFW工藤光輝(4年=札幌U-18)が放ったシュートはわずかに枠の外へ外れるも、全日本大学選抜FW泉澤仁(4年=新潟ユース)ら強力攻撃陣がゴールを脅かす。しかし、先にチャンスをものにしたのは大産大だった。前半16分、MF松木政也(1年=大阪桐蔭高)がドリブルで自ら持ち込み先制。今季初スタメンを飾ったルーキーに出鼻をくじかれた阪南大だが、1点を追う展開を振り出しに戻したのはMF可児壮隆(4年=川崎F U-18)。26分、持ち前のテクニックで守備陣をかわし、PA手前から放ったシュートがゴールネットへ吸い込まれた。可児の圧巻のゴールで同点に追いつくと、41分には主将の全日本大学選抜MF窪田良(4年=東京Vユース)が左足で2点目を沈め、逆転する。しかし、前半ロスタイムにアクシデント。DF康翔貴(1年=大阪朝鮮高)が負傷交代を余儀なくされ、日本高校選抜DF甲斐健太郎(1年=立正大湘南高)が投入される。

 2-1で迎えた後半。リードを拡げたい阪南大だが、6分にセットプレーからDF満生充(4年=大阪桐蔭高、前・水戸ホーリーホック)に頭で押し込まれ、開始早々に追いつかれる。さらに22分にはMF江口直生(4年=大阪桐蔭高)が直接FKを沈め、大産大が逆転。勢いづいた大産大は球際でも強さを見せ、阪南大に追加点を許さない。阪南大はチャンスを増やすべく、13分にFW外山凌(1年=前橋育英高)、31分にはFW河田篤秀(3年=阪南大高)とアタッカーを投入。前線の活性化を図ったが「(攻撃陣を)入れ替えたが歯車がかみあっていないところがあった」と須佐徹太郎監督が分析したように、最後までゴールを狙い続けるも実らず、2-3で敗れた。

 大産大は1得点1アシストで攻撃を引っ張った江口の活躍など、王者を撃破。亀谷涼監督は「(阪南大は)強力な攻撃陣なので、無失点で抑えるのは難しいと思っていたが、最後まで攻めきろうと話していた。セットプレーはうちのストロングポイント。思い切って戦ったことが、球際の強さに出たり、得点に繋がった。気持ちが強かった」と選手たちを称賛。阪南大・窪田も「球際で負ける部分が多かったし、ファウルで止められてしまっていた。相手がファウル覚悟で来ていた。球際の部分で全員が戦えていなかった。そういう甘さがあった」と大産大の球際での激しいプレーと勝利へのどん欲な姿勢に敗れたことを認めていた。

 開幕3試合目で初黒星を喫した阪南大の須佐監督は「康の怪我が攻守両面のリズムを狂わせた」と振り返った。窪田も「怪我人が出た時、誰が出ても変わらないゲームを出来るかといった点で、選手層の部分で弱さを見せた」と悔やんだ。次戦に向けてチームを立て直したいところだが、23日から始まる全日本大学選抜のショートキャンプなど、主力選手が抜ける機会が多い。須佐監督は「選手が抜けていく中でも耐えるしかない。しっかりいかないと」とコメント。リーグ戦は12月まで続く長丁場。連覇を果たすためにも、チームの底上げが課題となる。

[写真]逆転勝利を喜ぶ大阪産業大イレブン

(取材・文 北野裕子)
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