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全日本大学選抜、“感覚派”の注目SB二見が先制アシスト

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[4.24 練習試合 全日本大学選抜2-1町田 三ツ沢陸上競技場]

 全日本大学選抜はDF二見宏志(阪南大4年=奈良育英高)、北爪健吾(専修大3年=前橋育英高)、小川大貴(明治大4年=磐田ユース)と高い走力と攻撃力を持つSBたちがサイド攻撃を活性化した。特に二見は前半20分にMF天野純(順天堂大4年=横浜FMユース)へ左サイドから完ぺきなクロスボールを供給して先制点をアシスト。「アシストもしましたし、ある程度はできたと思うんですけど、(左SHの長澤)和輝が持った時にもっとフォローに行って縦の関係ができたら、もうひとつふたつくらいは点を取れるチャンスができたと思います」と手応えと課題を口にした。

 “野人”“猛獣”ともに称される二見はフィジカルコンタクトに優れ、対人での非常に激しい守備やダイナミックなオーバーラップ、そしてロングスローでも存在感を放つ。テクニックやスピードで違いを示す選手ではないが「タイミングを自分の中で持っていて、何でか分からないんですけど、感覚で抜けてしまうんですよ。来るやろな、と思ったらボールも出てくるので」という“自身の感覚を活かした”攻撃参加でDFを外して抜け出し、決定的なクロスにまで持ち込んでしまう。相手をねじ伏せるようなその攻撃参加は迫力十分。足首の負傷から復帰したばかりのDFはこの日、守備で対面の選手の受け渡しが上手くいかず、クロスからゴールを決められてしまったが、攻撃面では相手を押し込み、決定的な仕事もしてのけた。

 奈良の名門、奈良育英高時代は1年時にいきなり高校選手権の全国大会を経験した。ただ、高校時代は国体の県選抜に選ばれたことがある程度で代表、選抜チームには縁が遠かった。それでも関西を代表する強豪、阪南大でも1年時から全国舞台を経験。今夏のユニバーシアードへ向けた全日本大学選抜にはチーム結成当初から選ばれ続けて、仙台に練習参加するなどJクラブからも注目される存在となっている。昨年は阪南大で関西学生リーグと全日本大学トーナメントを制したが、今年の目標は個人、チーム、そして選抜でも結果を残すこと。「阪南では3冠と天皇杯ベスト8を目標にしてやる。個人的にはユニバもあるし、プロに行く1年だと思っている、プロに行く準備をしっかりとしつつ、ユニバも取れるようにしたい」。プレーも進路についても自身の感覚を大事にするという注目SB。大学選抜では左サイドからプレーで声でチームを盛り立てる。

(取材・文 吉田太郎)

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