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[MOM773]流通経済大柏MF秋山陽介(3年)_強力アタッカーがシュート意識高め早速2ゴール

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[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[4.28 高円宮杯プレミアリーグEAST第4節 流通経済大柏高6-0青森山田高 流通経済大柏高G]

「秋山には、『オマエだけシュートの姿勢が感じない』と言う話をしていた。青木(亮太)もジャメ(ジャーメイン良)もシュートを打とうという気持ちが伝わってくる。でも秋山にはその気持ちが伝わってこないと。ただ、あの子は賢いからね」。流通経済大柏高の本田裕一郎監督は青森山田戦の前日、MF秋山陽介(3年)に対してシュート意識の低さを指摘していた。ただ、自分に欠けていたものをすぐに理解した秋山は翌日の試合で課題を克服したところを表現する。攻撃がやや停滞していた前半41分、43分と立て続けに強引にドリブルで仕掛けて強烈な左足シュート。これは相手GKの好守などに阻まれ、前半アディショナルタイムに迎えた決定的な右足シュートもゴールにつなげることができなかったが、後半の2得点でチームを勝利へと導いた。

 まずは1-0の後半3分、右サイドをドリブル突破したFWジャーメイン良のラストパスをゴールへと押しこむと、5分には左サイドからドリブル突破を図ったジャーメインとDFが競ったこぼれ球を拾うと、すかさず左足シュートをゴール左隅へ突き刺した。SB石田和希の先制ゴールで目を覚ましたチームは、秋山の2発で勝利に大きく近づいた。そして秋山は9分にも絶妙な左アーリークロスでMF青木亮太のゴールをアシスト。この後、足を攣らして後半19分にピッチを後にしたが、指揮官も「きょうは秋山が良かった」と認めるプレーで攻撃陣を引っ張った。
 
 11年国体少年男子の部では千葉県選抜の一員として全国制覇。名門・流経大柏で2年時から徐々に出場機会を増やして昨秋の選手権予選では習志野戦で延長V弾を決めるなど存在感を高めてきた。新チームではテクニックを活かしたドリブルでサイドの突破口として躍動。同時にプレミアリーグEASTでは得点ランキング2位につける4得点でチームの快進撃に大きく貢献している。ただ本人は「まだまだ。青木とか(小泉)慶とか石田とか(森永)卓とか上手いので、技術の部分ではまだまだ劣っている。その部分ではもっと向上していかなければいけない」と満足していない。そして、この日も体力が尽きるまで走っていたものの「最後までグラウンドにいられないというのは…。フル出場は1回だけ。全部フル出場できるようにしなければいけないと感じています」と体力面も向上させることを誓っていた。

 兄・大樹さんは流経大柏サッカー部のOB。10年度に全国高校選手権で4強進出した時の世代で、プリンスリーグ関東1部ではスピードを活かしてゴールも決めている。ジェフユナイテッド千葉の下部組織出身の秋山だが兄のアドバイスも得て「1番になるため」「より厳しい練習をするため」に流経大柏の門を叩いた。そして厳しい練習で成長してきた秋山。「常にどの試合でも点に絡んでいければ。相手にとって怖い存在になれるようにやっていきたいです」。よりチームの勝利に貢献し、自分自身の価値を高めるためにも必要なのはゴール、そしてアシスト。ゴールへの意識をより高めた強力アタッカーが相手にとってより嫌な存在となる。

(取材・文 吉田太郎)
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