beacon

[JFA プレミアカップ2013_MOM]大宮ジュニアユースFW梁賢柱(3年)_劇的V弾で「ビックリした」大会MVPに!

このエントリーをはてなブックマークに追加

[中学サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[5.5 JFAプレミアカップ決勝 大宮ジュニアユース2-1京都U-15 J-GREEN堺S1]

 自身も周囲も驚くMVP獲得だった。大宮アルディージャジュニアユースのFW梁賢柱は抜群の突破力で左サイドに穴を開けるなど対戦相手の脅威になってきた。この日も前半13分に左サイドでDFの前方に強引に入り込んでサイドを破り、クロスボール。サイドでの1対1の強さで視察に訪れた関係者たちも唸らせていた梁は、延長戦前半開始直後にも左サイドを切り裂いて決定的なラストパスを供給したほか、同4分にもカットインから右足シュートでゴールを襲うなど存在感を放っていた。

 一方で得点には恵まれず決勝途中までは無得点。決して本来のパフォーマンスではなかったという。そのFWが最後の最後で大仕事をしてのける。1-1で迎えた延長後半9分だ。梁は敵陣中央でボールを受けて前を向くと、出足の遅れた京都DFが前方を塞ごうとする中、鋭い右側への動きでマークを外して右足を振りぬく。これがゴール左隅へと吸い込まれる決勝ゴール。「オレが決めた!」というように、カメラマンへ手を振りながら走りだした梁はベンチ前でスライディング。控え選手たちが一斉に飛びかかり、ヒーローは手荒い祝福を受けていた。

「ここまでの試合は不調でチームに迷惑をかけていた。でも決勝では緊張がほぐれていた」と梁。自分が結果を出せない中、決勝の舞台に立たせてくれたチームメートに感謝し、最高の形で恩返しした。そして試合後の表彰式ではMVPに選出。「MVPはビックリした」と苦笑いし、チームメートにとっても“意外な”選出だったようだが、微笑んでヒーローを祝福していた。

 伊藤彰監督から「ずっと悪かったけれど、最後の最後で決める。そういう星の下に生まれているというか、ストライカーの資質が凄くある」と評された梁は「(今大会で)自分のストロングポイント、ドリブルは通用したけれど、判断のスピードや動き出しはもっと必要だと思う。日々成長して世界で通用するようなパフォーマンスをしていきたい」と宣言。最大のチャンスをものにして優勝とMVPを手にしたFWは、より成長して8月の世界大会に臨む。

[写真]延長後半9分、大宮FW梁が決勝ゴール

(取材・文 吉田太郎)

TOP