[5.3 関西学生リーグ1部第5節 阪南大3-1大阪体育大 キンチョウ]

　3日、キンチョウスタジアム(大阪府)で第91回関西学生サッカーリーグ1部第5節の阪南大対大阪体育大戦が行われた。2位の阪南大が4連勝で首位に立つ大阪体育大を3-1で撃破。首位へ浮上した阪南大に対し、大体大は今季初の敗北を喫し、2位に後退した。

「タフなゲームを制した」と阪南大の須佐徹太郎監督は試合を振り返った。ここまで4戦1敗の阪南大は、全勝の首位・大体大と対戦。「満身創痍だった」と話すように、怪我人が出るなどチーム状態は決して良くなかったが、3-1で快勝。「今日はチーム全体が良かった」と選手を称賛した。

　試合は立ち上がりから阪南大が積極的にシュートを放つ。7分、DF二見宏志(4年=奈良育英高)がオーバーラップからゴール前にクロスを入れ、フリーで待ち構えていたFW工藤光輝(4年=札幌U-18)が合わせるもシュートはゴール上へ。ビッグチャンスを逃すも、12分。ゴール前混戦の中、MF八久保颯(2年=秀岳館高)が左サイドから突き刺し阪南大が先制点をあげる。しかし、直後の14分、開幕から5得点をあげている大体大FW澤上竜二(2年=飛龍高)が、1度はシュートをGKに阻まれるが、態勢を持ち直して流し込み同点に追いつく。

　阪南大は先制直後に追いつかれる展開となったが、落ち着いていた。「大体大のDFの裏を取るためにどうするかを考えてきた」と須佐監督が話したように、裏を狙う意識が浸透していた阪南大。26分には中央の工藤のパスに抜け出したMF可児壮隆(4年=川崎F U-18)が流し込み、再びリードを奪う。30分にもDF永井鷹也(4年=磐田ユース)のフィードに反応したFW泉澤仁(4年=新潟ユース)がGKに阻まれるも、かわして3得点目を決めた。

　後半に入っても勢いは衰えず、工藤や泉澤を中心にゴールに迫った。「後半追加点がほしかった。外したのは全部決定的」と須佐監督が苦言を呈したように、後半は無得点。決定機をものに出来なかったが、90分を通して放ったシュートは21本。3本に終わった大体大を圧倒した。

　大体大は「今日は前半にDFが引きすぎて中盤の間合いを空けすぎた」と坂本康博監督が振り返ったように、消極的な守備が目立った。「前からプレスをかけてボールを奪わないと。シュートも打てなかったし、完敗」と坂本監督。4連勝に大きく貢献してきた澤上、FW伊佐耕平(4年=神戸科学技術高)の強力な2トップも、この日は澤上の1得点のみと不発に終わった。

　阪南大はこの日、DF田渕大貴(1年=大阪桐蔭高)が初先発。須佐監督が「田渕がよくやってくれた。とにかく走れる。テクニックもしっかりしていて繋ぎどころもミスらない」と絶賛したように、新戦力も活躍を見せている。「まだみんな若い。4年生とはいえ、チームも発展途上」と須佐監督。首位に浮上するも、昨季王者に慢心はない。

(取材・文　北野裕子)