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工藤のバースデー弾が決勝点!柏が横浜FMとの熱戦を制す

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[5.6 J1第10節 柏2-1横浜FM 柏]

 J1は6日に各地で第10節を行い、11位柏レイソルは、ホームの日立柏サッカー場で2位横浜F・マリノスを迎えた。試合は前半8分にFWクレオのヘディングシュートで柏が先制するも、前半21分にはMF兵藤慎剛のゴールで横浜FMが追いつく。拮抗した試合展開の中、後半15分にFW工藤壮人が勝ち越しゴールを奪うと、これが決勝点となり、2-1で柏が2試合ぶりの勝ち点3を手にした。

 30日のACLセントラルコースト・マリナーズ戦(3-0)から中5日での試合となった柏は、対横浜FM4戦3発のMFレアンドロ・ドミンゲスがケガのため欠場。代わりに4月6日の第5節名古屋戦(3-3)以来1か月ぶりの出場となるMF狩野健太が、古巣相手に先発復帰をはたした。

 3試合勝ち星がない横浜FMは、布陣を変更。得点ランキング3位(6得点)につけるFWマルキーニョスとFW藤田祥史による今季初の2トップを敷き、これまでトップ下を務めていたMF中村俊輔は右の攻撃的MFに入った。

 GW最終日、多くのサポーターがかけつけた一戦は、序盤から激しい展開となった。両チームは4-2-2-2のフォーメーションで臨んだ。ともにツートップにボールを集めるが、CBとボランチが球際で粘り強い守備を見せてボールを自由に持たせない。ならばとサイドを起点にボールを回し始めた両チーム。最初のチャンスをつかんだのは柏だった。前半4分、狩野からのスルーパスをDFドゥトラの裏でもらったDF藤田優人が、CBとGKの間にグラウンダーのクロスを送る。ニアサイドに工藤が飛び込むが、DF中澤佑二が先にボールにさわり難を逃れる。

 続く同8分、再び柏がチャンスを作る。右サイドから左サイドへボールを展開すると、MFジョルジ・ワグネルがアーリークロスを送る。中澤とDF栗原勇蔵の間に飛び込んだクレオが頭で合わせ、柏が幸先よく先制に成功する。

 その後も狩野とジョルジ・ワグネルを起点に柏が横浜FMゴールに迫る。前半13分には、狩野のサイドチェンスからジョルジ・ワグネルに渡るとゴール前にクロス。再びクレオがヘディングを放つが、ゴールマウスを捉えることはできなかった。

 柏ペースで進んでいたが、横浜FMも反撃に出る。ハーフライン付近でボールを受けたDF小林祐三がマルキーニョスとのワンツーで抜け出すとドリブルでPA内まで侵入し、中央にラストパス。MF兵藤慎剛が倒れ込みながらも左足で流し、横浜FMが同点に追いつく。

 試合を振り出しに戻すと、横浜FMがペースをつかむ。ツートップが柏最終ラインにプレッシャーをかけてロングボールを蹴らせると、ことごとく跳ね返してはボールを拾う展開が続く。それでも柏はMF栗澤僚一のスルーパスから狩野がPA内でシュートを放つが、GKにセーブされてしまう。

 前半30分くらいになると、それまでは厳しいマークでフリーでボールを持てなかった中村俊輔が、長短織り交ぜたパスで攻撃のタクトを振るう。柏の最終ラインの裏のスペースにツートップと兵藤を走らせて逆転を狙う。

 なんとか横浜FMの攻撃をしのいでいた柏だが、前半終了間際にアクシデントが襲う。中村俊輔のロングボールを兵藤がヘディングで落とすと、飛び込んだ藤田祥史とGK菅野孝憲が交錯。頭を強く打った菅野は担架で運び出され、そのままGK稲田康志と交代になった。

「すごく拮抗している試合」(ネルシーニョ監督)、「タフなゲーム」(樋口靖洋監督)という両監督のハーフタイムのコメントどおりの試合展開が後半も続く。柏、横浜FMともにPA付近まで迫るが、最後は体を張って守り、すぐさまカウンターに出る。

 均衡が敗れたのは後半15分だった。左サイドバックのDF増嶋竜也の楔のパスをクレオがダイレクトではたくと、ボールを受けた工藤がDFを1人かわしてPA外からミドルシュート。右足を豪快に振り抜いたシュートは、GKが触れることなくネットを揺らした。この日誕生日を迎えた工藤のゴールで、柏が再びリードを奪った。

 同点を目指す横浜FMは最初の交代枠を使う。疲れの見え始めていたMF富澤清太郎に代えてMF佐藤優平を投入し、反撃に出る。横浜FMはロングボールを藤田祥史に当てて、落としたボールを拾ってチャンスを作る。後半41分には、前節の鹿島戦(1-1)で劇的な同点弾を決めたDFファビオを前線に入れて、猛攻を仕掛ける。後半終了間際に、ゴール前の混戦のこぼれ球を兵藤が左足を強振するが、ボールはポストを叩く。その後もGK稲田を中心に横浜FMのロングボールを跳ね返し続け、柏が2-1で勝利をおさめた。

 柏は3月30日の第4節大分戦(3-1)以来となるホームでの勝利をつかんだ。一方の横浜FMは、これで4試合勝ちなし。この日広島に勝利した首位大宮との勝ち点差は「6」に開いた。

(取材・文 奥山典幸)

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