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敗因を自分たちに求める鹿島イレブン DF岩政「すべてレフェリーのせいではない」

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[5.11 J1第11節 浦和3-1鹿島 埼玉]

 公式戦、約1か月半ぶりの敗戦は、ジャッジのせいにもできたはずだ。11日に浦和レッズと対戦した鹿島アントラーズは1-3で敗れた。1-1で迎えた後半33分、鹿島は昨季まで鹿島に所属していたFW興梠慎三に逆転ゴールを決められた。このゴールは明確なオフサイドであり、大型ビジョンで流れされた映像では、丁寧にパスの出た瞬間を映し出している。1点ビハインドとなった鹿島は反撃に出たが、「C大阪戦の教訓があったので、とにかく1点を守り切ろうと確認しました」とDF槙野智章が振り返るように、守備を固めた浦和を崩せず、逆に後半44分には速攻から追加点を決められた。

 この試合の勝敗に最も大きな影響を与えたのは、浦和の勝ち越しゴールだろう。だが、Jリーグ最多7度の優勝を誇る鹿島の選手たちは、敗因をジャッジのせいだけにはしなかった。FW大迫勇也は「チャンスも多くつくれていたし、もったいない試合でした。僕自身、決められるチャンスがあったのに決めきれなかった。1点目の失点も時間が悪かった」と、決定機を逃したことと先制直後の失点を反省し、「悔しいですが、次に切り替えます」と前を向いた。

 DF岩政大樹は「勝敗を分けるジャッジだったと思いますが、ジャッジメントについてこういうところでコメントをすることは、僕の主義には合わない。ただ、20周年の試合でこういうことが起きたのは、何か…そういうものを感じます。ミスは選手も犯すものですが、あれだけ明らかなミスであれば、判定が覆っても相手チームもそんなに文句を言わなかったと思いますけど。映像が流れてしまったのが、なおさら良くなかったですね」とコメントした。

 それでも「結果は、すべてレフェリーのせいではない」と、言葉を続ける。

「どんな結果であれ、常に選手自身が自分たちの責任だと感じることが大事。負けたことは僕たちのせいではなかったかもしれませんが、勝てなかったことは自分たちが失点して、自分たちが得点できなかったから。僕も含めてチャンスを生かせなかった場面がありましたから、それを決めていれば勝てた試合。常に自分たちの中に理由を探すべきだと思います」

 Jリーグが開幕した1993年にファーストステージを制覇してから、どこよりも多くの優勝を味わってきた鹿島。20周年のメモリアルマッチに敗れたが、試合後の選手たちは、鹿島が強者たりえる理由を存分に感じさせた。

(取材・文 河合拓)

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