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U-17代表候補、現実的になってきたボランチタイプ8人+CB2人+GKで「みんなでジャブ攻撃」

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[5.21 練習試合 U-17日本代表候補2-2C大阪U-18 J-GREEN堺]

 U-17W杯UAE2013まであと半年。U-17日本代表のメンバー争いが注目される中、吉武博文監督はそのメンバーが8割ほど決まってきていることを明言した。ピッチに立つ11人の構成は独特なもの。2年前のチーム発足時、「2人のセンターバックに8人のボランチ」のような構成案をコーチングスタッフの中で話していたというが、飛び抜けた選手が不在で、全員で戦うことをコンセプトに準備を進められている現状のメンバーは2年前に「そんな馬鹿な」と言っていたという構成案に近いものになってきている。

「今振り返って選手を見てみるとはボランチタイプの選手が8人、9人。我々がやろうとする突出した選手はいないかもしれないけれども、みんなでジャブ攻撃をジャブ、ジャブ、ジャブとやりながら、90分間全体をデザインして、最後の7、8分で勝負のような。一発屋は必要なく、というふうなコンセプトでやってきて、そういう選手も少しずつ増えてきている」。
 
 ポジショニングの質を徹底し、ショートパスをつなぎながら相手陣内へ攻め込むスタイル。ミーティングは繰り返され、それぞれの選手は「チームとは全然違う」という特殊なサッカーを必死に理解しようとしている。これからメンバーに食い込むことは簡単ではないが、指揮官は世界大会へ向けて1人でも2人でも新しい選手をチョイスして現在の選手たちに融合させようとしている。

 今年に入ってから招集されてきたCB渡辺良太郎(前橋育英高)は「(U-17代表のサッカーに)少しずつ慣れてきた。自分はロングボールが蹴れるというか特長なので出して行きたい。毎回練習で本気でというテーマでやっている。自分に負けないようにやっていきたい」。96年生まれ以降の全員にチャンスがあるU-17W杯出場。世界舞台のピッチに立つチャンス、サッカー人生を変えるチャンスを懸けた争いはメンバー発表、そして試合当日まで続きそうだ。

(取材・文 吉田太郎)

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