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EL予選出場権を手土産に代表合流、川島「充実感はある」

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 長いシーズンを終えて、日本の守護神が合流した。前日27日に帰国し、同日夜に宿舎でチームに合流した日本代表GK川島永嗣(スタンダール・リエージュ)が28日の練習から参加。長距離移動の疲労や時差ボケも感じさせることなく、練習で汗を流した。

「疲れはそんなにない。(強行日程は)自分の中でも想定していた。プレーオフが長引くかどうかは分からなかったけど、シーズンが終わって、そのまま(代表に)入るイメージではいた」

 レギュラーシーズンを6位で終えたスタンダールは上位6チームによる「プレーオフ1」に参戦。「プレーオフ1」は今月19日に全日程を終えたが、4位となったスタンダールは「プレーオフ2」を制したゲントと来季のEL予選2回戦からの出場権を争う「テストマッチ」に臨んだ。

 23日の第1戦は0-1で敗れたが、26日の第2戦に7-0で大勝。2戦合計7-1で来季のEL予選出場権を獲得し、シーズンを締めくくった。試合直後に移動を開始し、現地を出発。27日に帰国する強行日程だった。

「最終的にELの出場権も取れて、気持ち的にもいい状態で入れた。シーズンをいい形で終われたのは気持ちいい部分だし、ELは最低限の目標としてシーズンの間もずっと考えていた。よくない時期もあったけど、だんだん調子が上がって、最後、ここまで来れた。そういう形で終えた充実感はある」

 リールス時代からベルギーで連続出場を続けてきた川島だが、「プレーオフ1」のラスト2試合はスタンダールの下部組織出身で23歳と若いGKアンソニー・モリスが起用された。11年5月から続いていた連続フル出場記録は75試合でストップ。それでも、「テストマッチ」2試合では先発に返り咲き、EL予選出場権獲得に貢献した。

「試合に出ない1週間、2試合があったことで、逆に気持ち的にもリラックスできた。前向きな気持ちで最後のプレーオフ2試合に出られたことはよかったと思う」。ベンチ外となった2試合をそう振り返る守護神は決してネガティブな反応を示すことなく、自分自身の糧につなげた。

「ベンチの外から客観的に見られたのはよかった。どういうところにこだわらないといけないのかハッキリさせられた。GKである以上、しかも外国人で、任されている役割というのは大きいし、最後は責任を取らないといけない。そういうことが外から見ることであらためて見えてきた」

 チームの最後尾を守るGKとしての責任。それはクラブチームでも代表チームでも変わらない。30日のブルガリア戦(豊田ス)をへて、6月4日にはW杯アジア最終予選・オーストラリア戦(埼玉)が待っている。引き分け以上で5大会連続のW杯出場がかかる大一番。川島が失点を許さなければ、それはイコール、日本がW杯の出場権を獲得することになる。

(取材・文 西山紘平)

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